A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2023/11/19

出張修理で色々作らないとならなくなった物が幾つか。

2mVのP.Uを500倍に増幅したいが、ホワイトノイズが目立つ。

EQはパッシブで入っているから、500倍に増幅すれば良いだけの話なのだが、結構厄介な具合。

初段のフィラメントも相当シビア。

 

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このRCAのP.Uは片側だけにカンチレバーが動く不良品。

15g掛ければ鳴るとの事だが、まぁ不適当な使い方だ。

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カンチレバーがペタッとくっ付いているから、コアに引っ付いてしまっている状態。

無理矢理針圧を高くして、ディスク中央へ引っ張られる力で、コアから引っ付きを何とかすると音が出るという状態。

ディスク溝が逝ってしまいそうだが?
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マグネットを外すと寄っているだけになったが、左に傾いている。

マグネットでこれがコアにペッタンコする。

勿論音は出ない。動かないから(^ω^;;)
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テンションロッドを触ったらしく、曲がっていて、テンションは片側に弱くなってしまっている。

内側に引き寄せられる事を考えて、片側の高度が高くしているという事は無いと思う。

 

構造はVictorの時代、あれはもうVictor RCAか分からないが、古風な鉄針のP.Uのデザインと相変わらずで、それをかなり小さくしたデザイン。

モノーラル、バリレラである。

鉄針の頃のは、トレースで針が引っ張られるから、かなり硬いロッドがL字に入ってネジ止めで位置調整していた。

これはカンチレバー軸をロッド貫通と思われし。
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ダンパーは崩れて柔らかくガタが出ているが、調整だけ軽くして終わり。