A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

ノイマンフェーダー続き

 

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本機の設定だとフルバランスの入出力であるから、内部回路はFig1の様になる。
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Fig2では、アンバランス入力、バランス出力である。

所謂pp、プッシュプルのアンプに大凡似た様なもので、内部で反転回路があって、それで反転/非反転出力をしている。
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本機はFig1の様なプラグが揃っているものの、どうもそれに従って使うと都合が悪く、非常にノイジーになるし、音も小さい。

それで、色々と繋ぎを変えてみると、どうもアンバランス入力専用らしい。

その証拠に、バランス信号を入れると、互いに相殺して信号が消えてしまうし、ノイズレベルも上がる。

これはGnd(図ではE)が浮いてしまうからかも知れない。

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Fig4は内部回路の説明用の簡略図である。

Eを基準に+は非反転、-に反転を入れると、内部で反転側をコンバートして非反転に戻して、MIXアンプに入れる。

従って、MIXアンプに入る時は、どちらも同相になっている。

ここで、外来ノイズは反転し、打ち消しに働くから、ノイズに強い繋ぎ方法と言える。

 

そこへ同相の信号を入れてみると、反転されて入力されたMIXアンプで、音声信号は打ち消しに働いてしまう訳で、音が出なくなるのが当然である。

がしかし、このバランス信号も案外完全一致していない場合があって、信号のバランスが崩れている場合には、どちらか片方の信号が打ち消しよりも大きいか小さいかして音が出る。

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極端な例。

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Fig6はアンバランス入力へバランス信号を入れた場合の動作。

今回はE点がフロートになっていた為、両信号が入ってくるものの、基準がない為にバイアス的にも狂っていた可能性があるが、やはり打ち消しに働いて、Gndが遠い、フロートの為に機材間の電位が高くなった可能性があり、ノイズと僅かの打ち消し残りの音が出ていたのではないかと想像する。

 

信号系の話しは以上

 

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スイッチング電源の対策に平滑回路を作った。

電燈線周波数は50/60c/sで、これを両波整流すると100/120c/sとなるから、これは大きい容量のチョークでリプルを取ってやる必要があるが、今回は周波数を調べると25kc辺り(電流によって変動する)と高いから、小さい容量でもフィルターになるから、大掛かりなチョークも大きいコンデンサも必要ない。

抵抗ドロップの場合には、供給電圧が高ければ良いが、電圧ロスは避けたいからコア入りチョークを使った方がロスが少なくてフィルターになって効率良い。

電流が沢山必要になった時にも、抵抗ドロップよりもチョークの方がレギュレーションは良い。

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コンデンサを入れるだけでもノコギリ波になったが10mVあった。
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出力側。見えない程になったが、更に倍率を上げてみる。
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500μVのノイズが出ていた。
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このノイズはシャーシを触ると変化を起こしたから、電源のマイナスから来るものと分かった。

低周波の場合、消えないバズはマイナスを平滑すると解決する場合が多いが、高周波の場合はマイナスを平滑して浮かすのは最良ではないらしい。
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改善してやると100μVへ下がった。

100倍に後段で増幅して10mV。MCのヘッドアンプでも程々満足行くレベルかな。