A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

TB-1 Kénotron

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1918年に信号隊ラジオに指定された球だとかで大凡4500個が作られたそうな。

有るだけでレアーな球だそう。

フィラメントは7.5〜11V程で1.3〜1.4A食う。

DCのフィラメント点火と書いてあるが、発電機の整流用らしいから、フィラメントはAC点火でも良さそうには思う。

ケノトロンと書いてあり、その意味は高圧整流用の意であるが、1920代にはまだレーダーもテレビも無いから、無線のB電源用の意味であろうと思う。

400Vもあれば、当時は十分高圧指定だったのではないかと推測。

専ら、B電池、A電池の時代に整流管は不要であったから、エリミネーターの概念が出始めてからの遅れての登場である。

其れ迄は3極管を整流管として使っていたから、元からの整流管としての製造ではなく。

整流管としては、ガス管の方が歴史が古いのかな?

レイセオンのBがあるから、それも見てみる事にする。

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ゲッタはなく、燐粉もないから、真空引きは如何程か?

高真空バルブではないと思われる。

ステムにしかTB1と入っていないが、電極作り方はGeneralElectric其の物。

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GE特有の引き裂きのプレート。

Pdは17W位かな。

小さいプレートではあるが、厚みがあるし、耐える様子。
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フィラメントはスパイラルで、かなり白く光るし、銀色をしているから純タンだと思う。

電球其の物と言った具合。

この古さで使えるのが不思議な位であるが、大したモンだ。

全く惚れ惚れする(笑)

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UX-200と比べてみる。

UX-200の後期はトップチップから、新型の底引きに変わる。

TB-1はソケットがWE101、205と同じくバヨネットであるがUX-200では脚の長いUXの我國では一般だったスタイル。

でもって4ピン中、1ピンがカットされているから自立せず。

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レイセオンBと比べてみる。

Bは1925年の製造で、ヘリウムガスが封入されているそうだ。

よりTB1の方が古かった。

全波整流型でありガラスサイズはしばしTB1よりか大きい。

冷陰極管であるからフィラメントは無く、キャップ内で放電を起こす為、動作しているかは確認出来ない。
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ゴツい支柱は少し青っぽく焼きが入っている様な雰囲気。

当時の工場で働いた人の指紋が金属板へ残っている。

電極組み立て作業は素手でやっていた様だ。

 

古い球が集まって来たし、古典球らしいラインアンプでも組んでみるかな。