A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

コンデンサ色々

先日のインピーダンスの事に続いて、シリースに繋いで使うとインピーダンスが高くなるのか低くなるのか実験してみた。

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22μFのケミカルチューブラを測るとESRは1.9Ωだった。

尚、テスター自体の精度が怪しい面はかなりあるが、大小分かれば良しとする。
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シリースに同じ物を並べると容量は半分、ESRは3.4Ωになった。

高耐圧にしたい為にシリースにするとインピーダンスは上昇、容量は半分、耐圧は倍。
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パラで使うとESRは1Ωで半分。容量は倍、耐圧は其の儘。

電源インピーダンスを下げたい場合は、パラに並べた方が良いという事になる。

 

真空管の場合も、パラにすると内部抵抗が半分になるが、μは変わらないから、相互コンダクタンスgmは高くなる。

電圧を高くするとgmは低くなるが、電流を流すという事ではgmが高い方が良く流れる、流れ易くなる。

AF帯であれば、μを優先すれば良いであろう。gmは高周波の場合に必要になるのだと思うが、動作点でgmは変化するから、gmに合わせて設計するという事は無さそうに思うが(?)


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試しに昭和21年の油入絶縁紙蓄電器を試してみる。

ケース-端子間で4μF+4μFである。
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3.8μFを示しているから、使えるであろう。

ESRは低過ぎて表示されないのだと思われる。

オイルを継ぎ足した覚えがあって使えたと思ったが、高圧は試験した方が良い。

専ら、バンドがないが(^^;;

不良になっている物は、大凡容量が増す。

オイルを入れるか、ワックスの場合は湯煎して溶かしてやると戻る物がある。

絶縁が低下している時に高圧を印加すると、絶縁紙を焼いて電極間ショートを起こすから、これになったら戻らない。
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もう一方も同じ程度の容量。ESRは0.59Ωと出た。

この頃のホイルは無垢材だから、端まで抵抗成分が少なく済むから、インピーダンスはかなり低いという事になる。

蒸着は薄い膜に金属が塗ってあるだけであるから、端と端の抵抗成分は大きくなる。

従って、インピーダンスは高いという事になる。

それをカバーするのに、多く巻いて容量を大きくしているという事になる。

4μF程度のこのオイルコン2段でも、ハムが十分に取れた時代というのは、そもそも素材もインピーダンスも異なるからであって、古いデーターシートにある整流管のコンデンサ入力最大の8μFやらというのは、インピーダンスの低い物を繋いだ時の容量であって、電解の20μF、40μFでもインピーダンスがオイルの8μFを上回る事が無ければ、それでも良いという事になる。

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端子間では2μFでケースが中点になる。

WV400程であろうから800V迄は良さそうだが、ケースを浮かすのは大変だ。

ESRが0.59Ωになったから、一方は0.08Ωか。