A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

アンプ改修

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ハムが出る、あまり静か(?)ではないアンプの改修依頼。
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手前の再塗装されていそうなケミコンと思われる古いのが付いているが、容量を測ると0.5μF以下。

もう一台も測ってみると、今度は5000pf以下になっていた。

MPフィルムコン辺りであれば、この大きさからしても小さい気がする。

ハムが取れない原因は平滑Cの容量抜けも左右していたと考えられる。

代わりのブロックを1つにして80μF程稼げてテストしハムのレベルは低くなったのを確認。
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しかしながら、初段のハム引きが強いのと、入力出力のパネル周りを触るとハムが大きくなる。
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これは設計、作りに問題あり。

まず初段の1番をアースしていない。

誰かの回路のコピーなのかも知れないが、Sは省いて回路に書かない場合があるが、GTはGT-Gのみの特殊管を除いては、1番はS、シールドであるから、アースするのが基本である。

アースをしなかった場合、メタルにしても、メタルハウジングがハム寄せ用アンテナ化してしまい、本来の意味を成さない。

また、静電容量が大きい場合、アースをしていないと感電、ショックがある為危険。絶対にアースする事。

 

次にパネルのアースが取れていない。

インピーダンスの入力で設計してあるから、パネルが浮遊していては、やはりハムを引く。

良い部品、良いトランス、良い真空管で、高価な物を幾ら注ぎ込んでも、作り手がこれらを理解していない事と推測、良い所迄は来ているが、追い込みが出来ていない。

全く今迄派手にシールド不良のハム音が大きかったであろう。

良い音が出るとか、出ないとか言う前に、製作不良を直さないと、なんとも。

前の持ち主はノイズの大きい物と思っていたのかな。

 

修繕後は、通電しているのか、していないのか、分からない程に静かに。

凝った部品と良いトランスで揃っていて、ハムはチョークが相当強力な効果を与えている事と思われる。

モノーラル単発で構成、ステレオで数十万円は軽いのかな。

 

 

久しぶりに凝った投資型を作りたくなる(笑)