A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

利便性と音質を重視した リレー式 押しボタン セレクター

電子セレクターは入ってきた信号をサチらせて劣化をさせる酷いのが多い。

以前に使っていて電子AVセレクタは0dB以上が全てサチっていたから、幾らオープンリールで+3dB、+6dBをサチらず録音しても、HPのモニタではクリップしていないのに、アンプからは酷くクリップしているという事があって、このセレクタが悪くしていると気付いた時は、大分ショックが大きかったのを覚えている。

 

劣化を気にするならば、無電源のロータリーswのセレクタが良さそうに思うが、押しボタンで1、2、3の何処からでも一発切り替えの出来て、信号劣化をさせないセレクターが良いとの事で、その回路を考えてくれないかという依頼である。

依頼自体はかなり前に貰って、今の今迄考えていたから時間を要してしまった。

 

少し考えていたが、浮かばないから、ググってみて、他人のを参考にしようとしたが、Webに上がっているのは自己保持型のを使った物で、何か凄く面倒な事をやっている様な気がするし、動作を確認していないという代物まであった。

回路を追うと、どうもチャタリングを起こして1度セットしてしまうと保持が解除出来なそうな回路もある。

どうしようも無いのが多いし、参考にもならんなと止めにして、暫く考え、これが行けそうかと思い付いたものとで幾つか回路を書き出し、問題なく動作すると思われる回路を実際に組んで実験してみると上手く行った。

エッセンス元はDenonのDH-610S、DH-710の制御回路で、数年前まで使っていた時に修理で幾度か手入れしていたから回路構成が頭に入っていたのが蘇って来た。

あれはSTOPを通して次の操作に移るが、リールが回転していると停止検知の保護回路が働き、その間は操作を受け付けない様な仕様になっている。

それが自己保持の解除用に良いエッセンスになった。

今は寝かしているが、これぞという録音したいシーンも無くて、ただ聞くだけにヘッドを擦り減らすのも気が引けて、結果3台寝かしてある(^^;;

たまには温めてやろう。

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2ボタンにするならば、2回路のリレーが必要で、3ボタンは3回路、4ボタンで4回路...

信号の回路分も必要であるが、リレーをパラってもシリースにしても良い。

手持ち1Cのリレーしか数なかったからシリースにして試した。
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セレクトA
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セレクトB

 

上記はリレーを使った機械的な保持、解除回路である故に、回路数が必要である。

これを改良して、トランジスタ3石で、内2石を自己保持回路で成り立たせ、1石を解除用として使う。この方法であれば、リレーの回路全てを信号用で使える故、信号用小型リレーで良くなる。

自己保持はリレーに任せるのであれば、1回路をリレーに担当させ、保持解除に1石を使えば良い。

 

当初はリレーを動かすのにPICを使うか、ICを使うかと依頼主と相談していたが、一番簡易で確実、DCのみを扱う回路とすれば、ACハムに悩まされる事もない。

信号の入出力とスピーカー出力を同時切り替えも難しくないから、これは結構便利な代物が出来てしまった様である。

折角だから作って実際に信号を切り替えて使ってみる事にする。

 

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