A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

低コストアンプ 完

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初っ端は大丈夫かと思う程に具合が悪い作りをしてしまって萎えていたが、今では別物の様であり(笑)
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特性を見ると、トーンコントロールにやはり癖がある。

フラットに一番近似の場所をセンターとしたから、プラスマイナスに振るとどちらかに寄っているが、VRの機械センターとした場合、それはフラットではない位置がセンターと定めてしまっている事と同じで、出力のフラットではないから、良くない事は言うまでもない。

NF型のTCであれば、完全にフラットになるが、NF型の場合はハイμの球を使わないと、可変率が下がる。

英国のアンプで、±3dB以内で満足行かないセットは良くないセット。という謳い文句(?)もあるが、後は好みかなぁ。

自身はTC無し、セレクターも無しで、代わりに直接RCAを差し替える方式で最近は使っているが、確かに文句ない。

ノイズ率も格段に下がるが、TCがあってもS/Nを良くして、入っていても、入っていないかの様なレベルに仕上げたら、TC切り離し云々の話は出ないはずで、クオリティは悪いが一般ウケが良い様にと付けといた感のあるお粗末な物が多かったから、無い方が良いという説が出るのである。

後は、フラットに行かない周波数特性を嫌った場合には、そういう話にはなるだろうが。
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H-Lカット位置
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H-L最大位置

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フォノEQ特性もテクニカルレコードでチェックしてみる。
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Auxラインの場合は静かに1本になるが、フォノの場合はハムを引いていて-45dBの辺りで鳴っている。

これは若干聞こえるが、レベルは低い方であろう。

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AuxラインのTC設定だとハイ落ちしてしまう。
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ハイは持ち上げ、丁度VRの中間に来た辺りが具合良い。

元はフォノ用で、Auxラインは、ハイフィルタとシールド線を使ってあり、ハイを落として使った時に具合良くなる様にしてあるのを、ストレートに小細工なしにしたものだから、位置が合わない。
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RIAAの位置として、とりあえずHighComp.だけ調整すれば良い様にしておいた。

 

§ 

 

Auxラインの質は上々に良い。問題はフォノEQ部分であるが、先日修理したオーディオリサーチのSP3だったか、あれも荒っぽい感じがあって、回路はカスコード接続をやって、安定化を図っていたが、ハムはやはり引いていた。

無信号状態で無音を求める方は、安物に手を出してはならない。これは間違えない。

単なる側に凝った高級品も、高い素材を使っただけで、回路が普通だったら、やはり普通だから、回路に凝った一級品を選ぶべきかと。

電源の重いフォノEQがあったとすれば、値段的には桁違いに高いだろうが、S/Nは相当良いだろう。

マネして作った所で売れなくて見本品になるだろうが(笑)

 

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これにて完成。