A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

糸バネ 回転振り子 置き時計

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動作不全との事。預かり品。

以前よりOHはしているから、特に機械には問題はなさそう。埃にもなっていない。

バランスを調整する事で動き出した。

然し乍ら、12時間で+30分出ている。

回転幅を広げて遅らす様にしてみる。

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1振動、4.60秒か5秒程と思われ。

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静止状態で糸バネが捻れた位置で止まるから、平で止まる様に修正。

手直しすると、数分動いて止まる様になってしまう。

機械が若干重くなって粘っている様な様子だから、OHを実施する。
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前回OH実施は2018年だった。

2年で油が酸化したかな?

専ら、給油をしなくても問題なく動く状態でないとならなく、給油の意味は摩耗を防ぎ、遅らす為のモノである。

潤滑させる為のモノであっては、上手くないというのが、機械工学的な考えか。

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洗って組み直し、軽く回る事を確認。

1/3、ゼンマイを巻いて動かすも、持続性がない。

給油をすると良くなったが、8分目迄巻いてやらないとやはりかなりシビアで、ちょっとの振動で止まる。

8分目でも振り角は135度程度。

ガンギの停止-蹴り出し-停止の動作は忠実に行われているから、調整は良いであろう。

この間隔は調整が可能で、間隔を開け過ぎると、停止に入らず、両側から蹴り出しの状態になる。

そうすると元気良くは動くが、糸バネが何かの拍子に振動して、飛び越しエラーを起こすから、正確な時間は刻めない。

 

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調整し、12時間で+15分で動作している。

振り角は180度近くある。

ガンギの音も、静かながらコチコチとやっているから、力の伝わり具合はまずまずか。

糸バネの癖と、バネっ気が、どれだけ左右しているのか分からないが、とりあえず再始動している。

また調整してみる。


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それからまた12時間経過、遅れは解決しないから、糸バネの挟む位置を少し変更、長くしてやり、捻れ長を長くすれば、幾分遅くなるだろうとやったが、今度は下の輸送時保護器に干渉し易くなり、水平度のレベルがシビアになってしまう。

この為、幾分また止まり易くなってしまう。

再度調整して、また動く様に立て直したが、今日丸々1日仕事になった。