A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

6BQ5 複合アンプ

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18年に誂えた6BQ5のマルチファンクション アンプが音が出なくなったとの事で帰って来た。

箱からは届いた時点で、ガラガラ、カチャカチャと音がしていて、音からして、ネジ外れ、シールドが転がり、球が割れているかな?といった感じ。

開封してみるとシールドとフォノの球が2本共転がっていたが割れていなかった。

確かローノイズの6AT6を交換球に送ったと思うが、AV6が刺さっていた。

AT6はμが70、AV6は100である。

段数少なくコストを落として昇圧するにはハイμの球を使う他ないが、μ30程度の球で数段に分けた方がノイズが少ないし大きいピーク信号にも耐えられる様に設計出来ると最近分かってきたから、12AX7辺りは使っていない。

昭和35年頃の民生機並の回路である。

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シールドは爪が無くなっていて、殆ど引っ掛かりが無くなっていたから、少しの衝撃で外れそうだが、最近はシールドを使う様な設計をやらなくなったから、持ち合わせていない。

 

しかしまぁ、何故球が転がっていたのかは分からないが、先日送り返したValve300も箱の一部が損壊、中身が見える様な状態で届いたらしい。

今時期、運送屋は一番の大忙しになっている事と思うから、丁寧だの言っていられない程の量を捌いているのかも知れない。

昔の国鉄チッキを考えれば、ああいう様にはなっていないと思うが、酷い扱いをしていたもので。

 

そういえば、定形外郵送が4日でもどうやら最近は着かない場合が多いみたいで、もう家で暇を持て余す人が多いのか、今度は待てない輩が現れ出して、「まだ届かない」等の問い合わせが多い。

一般に定形外郵送は長くて6日は掛かるものと思ってほしい。

待てないのであれば、高くても飛脚を使うべき。

暇というのも、全く困ったものである。

こちらは全く暇はないが。

俗に言う貧乏暇なしである。

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本体の内部では基板支えのボスと、止めネジが外れていた。

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コスト落としに使った高圧昇圧高周波インバータのパターンが剥がれて切れていた。

これでは高圧が掛からないから、当然音も出ない。

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パターン直しとネジ止めして通電試験。

音が出ないと思ったらTape MonitorがONになっていた。

解除すると特に問題ない。

トーンコントロールは確かNF型だったと記憶。

Bassはインクリースのみで、左一杯でフラット、Highはデクリースのみで右一杯でフラット。

NFBに挟む形式の回路だから、NF分の可変域しかないが、-10dBも落としていれば、かなり変化している様に感じる。

出力の6BQ5のSGにもNFBを掛けているから、全体ゲインは一般の6BQ5シングルよりも落ちるが、この時はSGにも負帰還をした回路が気に入っていた(笑)

 

音的には今聞いてみると、普通であるが、インバータよりもトランスを使えるならば、やはりトランスの方が良いかな。

セパレーションの悪さと高インピーダンス気味な電源回路が低域の押しに影響している。

セパレーションは-30dBあるかなという感じ。

他回線とを使うとクロストークがありそうだ。

昔のレシーバーアンプはこんな感じであるが(^^;;

低域は出ているが、やはり重くない。

オイルや電流が沢山供給出来る電源で、低インピーダンスに出来たら、大きい球を使った時の様な、深みのある低域になりそうだ。

 

とりあえずこれにて修繕おわり。