A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

Valve300 其の後

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ネットを掛けて仕上げて、通電してみると、恐ろしい程ケースが励磁してしまって、通電と同時のボンッと鳴るし、ブーンとボンネットが鳴って、スピーカーから出るハムは無いが、本体がブーンと鳴ってる方が大きい。

よく見れば、電源トランスとの距離が10mmか程で、ボンネットも鉄製だから、電流を流すと必然的に磁力が強まるから致し方ない。

磁気シールドを巻いてくれていれば、少しはマシであろうが、触って感電しているみたいにブーブーしているのは気持ち悪いモノで....

コストカットし過ぎな印象。

そういえば、廉価版のSONYのAVアンプがこんなだったなぁ。

上にカセットテープレコーダーを置いていたら、再生するとハムが出るから、何かと思ったら、トランスのリーケージフラックスを受けていたという。

プレーヤーの近くにも置けないし、ケースは鳴るわで、流石廉価品という印象だった。

このアンプはデザインが先行きして、電機的設計、磁気設計にはあまり力を入れていない、安上がりなものにした感じがある。

まぁ当時価格19万程らしいけど、だったらLuxを買った方が良いんじゃないかな。値段は高いだろうけど(^^;;

Luxは元々、PAアンプメーカーだから、設計は真面目。そんな変な設計をする所じゃない。

 

さて音の方は、HPDで聞いてみているけども、低域がやはり強調がかかっている感がやはり強い印象。

Tannoyなのにハイがお淑やか(笑)

柔らかい感じがするのは、穏やかな右下がりのf特なのかも知れない。

出力の所に付いていた33ohmと.047μFがどの辺りのフィルタになるかは計算しないと分からないが、NFにも33kと47pfが抱き合わせで付いていて、この47pは回転系の補正であろうが、プレートからも5pfを通してNFに入っているから、特性の補正をしようという事が伺える。

そんな事をするのならば、真っ当なシンプルな回路にすれば良いのに…と思ったり。

私が作るアンプは、NFも掛けていないストレートな物が多いけど、個性潰しのNFを掛けても、20kc迄フラットに来る様なのだと、こういう柔らかい音がしない。

パワーのある球を使えば、ドンとシャキっとする。

Tannoyで聞くと、ハイが直球みたいな、刺激的な様な雰囲気がいつもする。

最も、フィルタのRCを使わないからという事もあるかも知れない。

それがまた良い音なのかは、好き好みの問題にもなるから別段、気に入ればそれで良いだけの話ではあるが(; ^ω^)

 

聞いていて思ったのは、Jazz、特にLPは低域がブーストしている程度が程よく感じるかなと。

突き刺さる様なキツ目のブラスは、マイルドに、隠れ気味なドラムは、一歩前へ。

そんな印象である。

ストリングスはベースが一歩前に、ギャンつくバイオリンは少し大人しめ。

クラブハウス系はエフェクト無しでも楽しめそう。

電気音は少し角が取れて聞き易いか。

 

とまぁ、こんな具合で検査はOKとして、返却する事に。