A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2019/12/21

LPを聞く程に手広く出来ないから、試しに聞いてみたいからCDに起こしてほしいという知り合いからのご依頼。

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ブルーノートレーベルだったら何でもOK、アーティストもお任せ、ドライブもお任せ(笑)という事でよく聞くのを1枚。
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ラインOUTからPCMに繋いで、ヘッドホンでモニタする形になるのだが、ヘッドホンを掛けると僅かハムが気になったから、初段はシールドを被せてアースし、録音溝のピークから、S/Nが-20dB以上になる事を確認。

しかし、次なる問題点が。

乾電池時計が動作した途端に、“ヅッ”と小さいながらもノイズが入る。

電池だけで完結して動作しているから、AC線やアース線は無関係ではあるのだが、接点から僅かに出るアークが、電磁波となって周りに飛び散る事が原因である。

特に球が剥き出しであるから、この波が直接電極へ飛び込む事で音になってしまう。

初段をシールドで覆っても、他の球や、或いは回路へ直接電波が乗っかれば、音になって出てしまう。

ブラシモータでも、整流子から出るアークによって、ラジオからそのアークの音を受信するという問題が出たりする。

今はインバータやスイッチング電源の高周波の方がより多いが。

これは電話線が近くを通っていても起きる事で、ダイヤルを回した時に出る僅かなアークをラジオが拾ってキーの回数が分かってしまう事も。

今回はスイッチとの間に0.1μfを挟んでノイズキラーとし、雑音の発生を食い止めた。

僅かこれだけの事であるが、ノイズの撒き散らしを阻止する事が可能なのである。

一番重要な事は、ノイズはノイズ源を見つけて断つ事。

ノイズが入る事を防ぐ為に、機材1台1台にノイズフィルタを設けるよりも、ノイズ源から撒かない様に使えば、他はフィルタを通さないで使用が可能となる。

しかしながら、昨今の電力事情は非常に悪化している様で、他人宅から高周波ノイズが廻り込んでくるパターンもあり、更にはソーラーパネルからのインバータにて、ノイズが増えるという事もあり、昔の機材とは違ったノイズパターンが増え、それに対応出来ないケースが増えている様に感じる。

再度ノイズフィルタを製造するか悩み所である。


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幾度か試して、ノイズが飛ばない事を確認し、録音開始。

PC上で編集、CDに書き込み、完成。

フィルタを掛けず、カッティングノイズも全て其の儘のPCM化で、遮り試験でLPですか、PCMですかと問われても、おそらく聞き分け付かないレベル。ピークからのマージンは-5dB程に設定し、それでも僅か瞬時ピークに達する時がある。

聞いて本当にリアリティがあるが、mp3の125k落とすと、トレースノイズにジュルジュルとした音が紛れ出すから、これでPCMと判別が付く事であろう。

Waveであったら、殆ど大差ない。