LPを聞く程に手広く出来ないから、試しに聞いてみたいからCDに起こしてほしいという知り合いからのご依頼。
ブルーノートレーベルだったら何でもOK、アーティストもお任せ、ドライブもお任せ(笑)という事でよく聞くのを1枚。
ラインOUTからPCMに繋いで、ヘッドホンでモニタする形になるのだが、ヘッドホンを掛けると僅かハムが気になったから、初段はシールドを被せてアースし、録音溝のピークから、S/Nが-20dB以上になる事を確認。
しかし、次なる問題点が。
乾電池時計が動作した途端に、“ヅッ”と小さいながらもノイズが入る。
電池だけで完結して動作しているから、AC線やアース線は無関係ではあるのだが、接点から僅かに出るアークが、電磁波となって周りに飛び散る事が原因である。
特に球が剥き出しであるから、この波が直接電極へ飛び込む事で音になってしまう。
初段をシールドで覆っても、他の球や、或いは回路へ直接電波が乗っかれば、音になって出てしまう。
ブラシモータでも、整流子から出るアークによって、ラジオからそのアークの音を受信するという問題が出たりする。
今はインバータやスイッチング電源の高周波の方がより多いが。
これは電話線が近くを通っていても起きる事で、ダイヤルを回した時に出る僅かなアークをラジオが拾ってキーの回数が分かってしまう事も。
今回はスイッチとの間に0.1μfを挟んでノイズキラーとし、雑音の発生を食い止めた。
僅かこれだけの事であるが、ノイズの撒き散らしを阻止する事が可能なのである。
一番重要な事は、ノイズはノイズ源を見つけて断つ事。
ノイズが入る事を防ぐ為に、機材1台1台にノイズフィルタを設けるよりも、ノイズ源から撒かない様に使えば、他はフィルタを通さないで使用が可能となる。
しかしながら、昨今の電力事情は非常に悪化している様で、他人宅から高周波ノイズが廻り込んでくるパターンもあり、更にはソーラーパネルからのインバータにて、ノイズが増えるという事もあり、昔の機材とは違ったノイズパターンが増え、それに対応出来ないケースが増えている様に感じる。
再度ノイズフィルタを製造するか悩み所である。
幾度か試して、ノイズが飛ばない事を確認し、録音開始。
PC上で編集、CDに書き込み、完成。
フィルタを掛けず、カッティングノイズも全て其の儘のPCM化で、遮り試験でLPですか、PCMですかと問われても、おそらく聞き分け付かないレベル。ピークからのマージンは-5dB程に設定し、それでも僅か瞬時ピークに達する時がある。
聞いて本当にリアリティがあるが、mp3の125k落とすと、トレースノイズにジュルジュルとした音が紛れ出すから、これでPCMと判別が付く事であろう。
Waveであったら、殆ど大差ない。