A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

16mm トーキー コンバータ

オプチカル フィルムの音が随分と映画館らしい雰囲気があるから、Tannoyで鳴らしたらどんな音がするのか試したくなって、線を引っ張って来て繋いでみた。

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結果的には、付属のスピーカーは口径が小さいのと、シングルであるから、其れ相応の音であるが、開放型でも十分に低域がドドンと鳴る。

Tannoyだと、開放型ではないから、裏に反響する音が多く無いから、音像がくっきりしている。

低域は口径が大きい分、更にドッシリ鳴る。

映画館がドンドコしているのは、どうやらブーストしているという訳ではなく、光学録音の音の質其の物の様である。

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セリフは、マイクの手前にコップがある様な、独特の反響する様な空間がありそうな音がする。

これも映画館の広い空間で反響がそうしているのかと思っていたが、どうもこれもオプチカル録音かららしい。

SEやBGMは特別フィルタが掛かっていそうにない、くっきりとした音が出ている。

もしかすると、録音過程かマイクロホンがそういう質という可能性もあるが。

 

最近の映画館では耳にする機会は無いが、フィルムの継ぎ合せ部分や傷で、ボンッ ボンッと派手なノイズが重量感ある音になって、より“らしい”感じがする。

自分は好き(笑)

それと、昨今のテレシネされたバージョンでは、レコードをトレースしている様なノイズが消されているのだが、それも其の儘の方がやはり良い。

フィルタリングした絵や音になった作品よりも、生フィルムは良いものだ。

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これが付属のS.Pである。

 

接続の時に気になっていた事があって、47プラグを差し込んだ時に、ボンッとフィルムノイズの様に鳴るのだが、ワニ口でTannoyに接続する時に、僅かにアークが出るのを確認したから、テスターで測ってみると、無負荷でDC15Vが出ていた。

 

8Ω負荷が繋がって、端子間には168mV出ていた事から、常に21mAも流れている事になる。

15Vフルスイングするとしたら、28W位は出そうだが、付属のスピーカーは、アルニコの様だし、30W近く入れて大丈夫とは思い難い。

 

付属のアンプは石式で、どうやらA級ppの動作の様子。

トランスは入っているが、おそらくドライブトランスであって、出力トランスではないらしい。

直流が其の儘印加され続けるのは良いとは言えなさそうだが、もしかするとこの低域のドンとした感じはDCアンプ(?) だからなのだろうか。

 

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そう思って、トーキー コンバーターを製作した。


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ステレオのアンプで鳴らしたい、そんな場合には、Line Out端子より、トーキーアンプへ入れたら良い。

ここには直流成分はカットされた、0V基準の信号が現る。

直流15Vが、一般のアンプへ入ると、これが入力部の部品を焼き壊す場合が考えられる。

録音をしようと、PCや録音機に接続すれば、これまた破損し兼ねない危険な接続になるという訳である。

 

実際に使ってみると直接スピーカーに繋いだ時と大差なく、低域のドッシリ感も色褪せていない。

劇場で使われていたアンプ(御下がり)に通しても鳴らしてみたが、これも良好。

直接アンプに繋ぐと、いくらフィルムアンプでもトランスを焼き切るかも知れないから、直接の音は聞いていないが、おそらく直接繋ぐとバイアスが掛かる事で、歪が相当増して、真っ当な音は出ない事と考えられる。

真空管に+バイアスが加われば、電流が流れて赤熱、初段を破損する事だろう。

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プロジェクタールームがあるシアターでの使用の場合は、機械室にモニタが欲しくなる場合があるだろうから、Monitorに接続して使用が出来る。

この場合は、左横のスイッチをMonitor側へ倒して使用し、使わぬ場合は、これを断っておく。

このスイッチは、モニタスピーカーのダミー用の負荷抵抗であり、これが無いと無負荷運転になってしまい、開放なる動作を防止するものである。

録音したい場合に、録音機のモニタが出来ない場合には、モニタスピーカーを接続して使用可能。

上映中、録音中にモニタの入切は不可とする。これは、接断によるノイズ発生が生じる可能性があるからである。

 

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ステレオ用プロジェクター、及びスイッチの無い自動式に於いては、同様の動作をする回路ではあるが、ステレオは2ch分の回路を含んでおり、自動負荷切り替え式は、モニタを接続と同時に負荷抵抗が外れ、スピーカー負荷となる様に設計してある。

 

尚、回路設計は部品の調達具合から変更の場合がある。