A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2019/07/13

 今日は朝から内職の続きを、昼は墓参りに、その帰りに秋葉に寄って、納品に、営業にと忙しく歩きまわった。良い運動(笑)

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最近は落ち着いていた感があったが、また目まぐるしく店がコロコロ変わりそうである。

専ら閉店してしまう店が多く、その後入らないで廃墟化しているビルヂングは多く、借り手が付くだけ今は珍しい気もする。

看板だけが放置されて、落ち着いている様に見えていただけかも知れない。

今度の店は、”今から?”という今更感がある、タピオカの店が出来るらしい。

前は、ブルーフィルムや本を売ってた怪しいお店。その看板が其の儘になっているが、外す…よなぁ、多分(汗)

オーナーは台湾の人らしい。流石情報の廻りが良いデパートである(爆)


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またトランスレスのローコスト版の新作が作れるかもと、2種買ってみた。
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50BM8は、以前に雑誌かで有名になった球で、当時はかなり値段が釣り上がったが、今はもう殆ど売れない様で、安くなり始めた。

当時の雑誌には、多分感電防止とトランスがそこまで高騰していなかった為か、電源トランスのあるセットが書かれていた。

50BM8は、6BM8の50Vヒーター版であるから、2本使えば100V点火が出来る。

200VはBに欲しいが、それは倍電圧整流を用いれば、簡単に作れるから、あとは感電防止を配慮すれば、電源トランスは無くて済む。

柱上変圧器のレギュレーション頼りな感じになるから、ギリギリの安い電源トランスを用いるよりか、はるかに良いハズである。

しかし問題は他にもあって、柱上変圧器頼りになるから、強いノイズが別宅から回り込む様な事があると、可聴域であれば、なんらかの音になって現れる場合も考えられる。

例えばスパイク系のノイズだと、パパパッと音になるだろうし、高周波系で高調波が可聴域にあれば、これも音になって聞き取れるものになる可能性がある。

今はノイズを盛大に漏らす製品が多く存在しているから、万事大丈夫とは言い難い事もある。

 

もう1つの方は、35L6GTで、これは6L6の35V版ぽい雰囲気もあるが、また別物で、35A5と同等である。

やはりトランスレス向きに設計されたタイプの物であるから、Ep、Esgは低めで、Esgに於いては、117Vmaxと、完全にレス用という事が伺える。

お店曰く、”安くしても売れない(笑)なんで?”との事。

作る人が居ないのか、技術者が居ないのか、やる気が起きない人が多いのか、知らないのか、もう飽きてしまったのか分からないが、凄く経済的な良い球と思う。
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多分、トランスレスと聞くと、昔のお粗末な製品を思い浮かべ、コンセントを入れる向きによっては感電するからと思っている人は少なからずいらっしゃる事であろう。

確かに安いセットによく用いられた方式ではあるが、感電防止をする策はあるし、設計が良ければ負帰還を掛けずとも、特性の良いアンプは出来る。

ただ、特性を配慮すると、どうしても出力は出難くなる場合はあるが、それはどちらを取るかであろう。

癖も活かせば良くなるし、歪んだ方へも出来るワケで、その設計者のクセが出る所と思われ。

ギターアンプは歪んだ方が人気である。(笑)
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箱を開けたら、まぁ古めかしい包み紙に包まっていた。

完全過ぎるデットストックw

この絵柄というか、色の感じは、スーパータロム(笑)っぽい

ピコピコ ビリビリしていそうDA

chargeman-ken.fandom.com


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検査票には1966年の押し印があるので、タロムよりも7年も前の製造なんDA(爆


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まぁ冗談(?)はさておき、平べったいプレートがなんとも丈夫そう。

低電圧であるからか、807系よりか遥かに薄い。
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特性表によれば、結構均等なカーブが得られているから、これはHiFiセットには最適と思われ。

シングルで3W、ABプッシュで5W位は得られるだろうか。

データーシートでは3.3W、DIST10%になっている。1割なら歪っぽさは、それ程感じさせないであろう。

専ら、3Wも得られたら、6畳間のセットとしては最高であろう。

 

そうそう、3Wで思い出した。1920年代辺りから、映画はトーキーに、レコードは電気録音へと移り変わり始め、当時、大きい映画館で使われていたアンプの出力は、3Wであったそうな。

大きいホールを3Wのアンプで音を満たし、行き渡らすのは、ちょっと無理がありそうに思えるが、能率の良いスピーカーを使えば、そうとは限らない。

ただしかし、スピーカーにも相互の”和”があって、音圧と周波数特性の和は、絶対に大きくは出来ない。

音圧だけを良くしていくと、周波数特性がどんどんと狭まり、周波数特性の幅をどんどん広くして行くと、今度は音圧がどんどん下がって、能率は悪いが、ワイドレンジにはなる。

例えば、120dB超えのスピーカーは、能率を見れば凄くパフォーマンスが良いが、周波数特性的には、中域が山になっていて、声が良く飛ぶ、届きやすい音が出る物になるというワケだ。

分かり易く言うと、トランペットスピーカーの様な感じであろうか。ちょっと究極な感じはするが。

バランス的には、ダイナミック型でよく有った、97dB辺りで、2Wayにすれば、全くもってHiFiのセットには出来るし、実は1935年辺りの欧州製 高級ラジオはかなり良い音がする。HiFiではないので高域のシャリシャリは流石に出ない。

良い音という表現は非常に宜しくないが、周波数特性的にも、音の質も今と大差なく、びっくりする程普通で、モノーラルではあるが、後面解放型であるから、部屋に広がる臨場感とアタックの良さには感動せる。素直に音楽を楽しむのであれば、十分過ぎる。

逆に、戦争やらで物資がなくなり、お粗末な製品が巷に溢れ過ぎたのかも知れないが、またそんな事を皆様が知ってしまうと、本当に昔良かった物という物が高騰しそうである。