A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2024/03/29

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Audible Illusions Uranus 2

貸し出ししたら先方から、何かしら壊れていると返却されたそうな。

それで、何が壊れているか確かめていないから分からないけど、修理宜しく。

とやって来た機体である(笑)
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左右独立基板、独立チャンネルで、クロストーク対策をしよう。という考えであると思う。

電源トランスも2個あって、完全に分離している…と言えば、その様である。

然し乍ら、アースは兼用で、シャーシアースと信号帰還が一緒になっているから、静電的な事が線か何某かで起きると、クロストークが生じる可能性は大いに考えられる。

そうなって来ると、モノーラル2台はやはり最高だ。という話になってしまう(^^;;

置き場所大変だ。

 

まぁ、それは置いておいて、基板は同じ物が2つあるわけなのだけども、部品が微妙に左右で異なっていて。

一部が壊れて、そこだけを交換して使っていたのだと思う。

欧米のあるある修理と言ったら、良くあるタイプ。

欧州でも日本でも同じかなぁ(^ω^;;)

私は大らかで良いとは思うけれど、気にする人は同じじゃないと。と思う人も少なくない。

まぁまぁ、交換するなら、左右で揃えて交換した方が次回壊れるかも知れないから、良いかも知れないけれども。

最終的にはオーナーの考え方次第。それで良い。

人がツベコベいう事はない。

ただ、測定器だとか、信頼性が求めらるシーンがあるだとか、他人と共有して使う場合の機材の場合には、揃えて使う物であれば、揃えた方が良さそうだ。

基準を満たして、校正で通るのであればそれでも良いが。

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問題が何なのか分からないから、調べなくてはならないが、セレクタがPhonoを示して受け取ったから、phonoに問題があった可能性があると考えるのが手っ取り早いと考えて。

まぁまぁ、phonoの段は入力の一番最初であるから、全点検という意味でもある。

まぁまぁ、結局は全点検はするのだけども(^^;;f:id:A2laboratory:20240329192456j:image

コンデンサのリーク、抵抗値の膨大化、その辺りは試験で問題無かったから、信号系統で問題が生じているらしい。

信号を入れてみると信号が出ない。
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症状は物理的接触不良で、完全に信号が断っていたから、部品交換。

信号が出る様になった。

f特性上は問題ない。

ステレオバランスも問題ない。

PH入力許容は400mVだったから、オルトフォンのSPUを使っても問題なく、ピークもサチらないであろう。

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400mVを超えると一部が発振した様な波形を観測した。

 

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それと気になったのは、この機体は逆相出力であるという事。

パワーアンプはセットなのか私は知らないが、恐らくパワーアンプ側は逆相受けで設計されていて、セットで使うと整合性がある様になっている可能性が高い。

普通一般のセットで使う場合は、スピーカー端子を±逆さにして使えば入力に対して正相になる。
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PHは恐らくNF-EQではなく、CRだと思うが、位相がかなり廻る。


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Aux、Tape、Tunerは綺麗に90°

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回路は双三極管が3つで、シールドもない、トーンコントロールもなしであるから、6段とは思えないから、SRPPであろうと推測。

3段の構成で、内2段はPH用。

この回路構成は良くある類に思うが、これでは反転出力なのである。

昔のセットは、トーンコントロールも含めて、位相は入力に合わせてあるのが多い。

マチュアの自作品は、そこまで気を配っていない場合がある。
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丁寧にやるとしたならば、1段ゲインを殆ど殺した位相反転の段を設けてやれば良いだけの話ではある。

もしくは1:1のトランスで受けて、逆向きにして使っても良い。

パワーアンプ側が反転入力で設計しているのであれば、これはこの儘で良い。

その辺りはセットの構造による。

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パターンは修理で誤って切ったのかと思ったが、故意に切って調整をやっていた様であるが、ショートしてあるから、其の儘で良かった様である。

抵抗が挟まっている部分もあるが、これはB電圧調整のトリマの調整範囲を狭くして精度を上げる為だと思われる。幅が広いと安定が悪い。

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基板にはトリマが2つあるが、もう1つはtrebleコントロールだった。

どの位の効果があるか確かめたが、殆ど変化はしなかったが、15kc以上で変化はあるが、カットオフにもならないし、ピークがある訳でもない。

これは何の意味があるか分からないが、ハイにピークがある…のを思い出すと、PHの過入力で発振した様な部分を抑制する為の事かも知れない…と思って、再度見てみたが止まる事はなかった。


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明日試験してみて問題無ければ完成。