A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

Western Electric Line test handset.

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Iさんから譲ってもらった古いラインテスト ハンドセット。

電話工事者の事を欧米ではラインマンというらしい。

腰に引っ掛けて持ち歩き、現場近くの電柱に登って電話線へ直接クリップ、業務連絡をする為の代物。

着信はベルが無いし、多分どの回線番号か分かっていないであろうから、折り返しは不可。

多分自動型で尚且つ共電式の携帯型では一番古いセットの様な気がする。

ローカル式は木箱に送話用のバッテリーと、交換手を呼び出す発電機が入っている。

我國では海軍だったかの携帯用セットは、着信ベルが内蔵されている形式もある。

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ダイヤルは小型でパチパチと良いキー音がする。

これより新しい、青いのを持っているけれど、それは小型だけども普通の指掛けの様式。

それよりかもっとダイヤル面は小型で、爪で引っ掛けられる突起と、尖先のペンやらドライバーで回せる様に、窪みがある。
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本体はエボナイトかと思ったが、総ゴム。

今で言う所のスマホケースの様に、クッション材で覆って、落としても壊れ難い設計。

型番は表記が無いから分からない。青いヤツは書いてあった様な気がする。プラスチックだが(^^;;

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レシーバ、トランシーバーの大きさからして、1930年代のスペースサーバーと比べて改良されているから、この後のモデルな様な気がする。

1937年辺り(?)
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気になる中身を見てみる。

横のネジを外せば切れ目が開く。
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蓋の付いた部分はディスクガバナーの調整口だった。多分シングル。

10ppsに合わせて調整するが、バネの曲げで調整するから結構シビアな部分。
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キーは受話側のショート回路はなく、回線をダイレクトにon/offする。

レシーバは回線内に入り込んでいて、600Ωになる様にしているのかな?

打電中はブチブチ結構な音がしそうだ。

調べるとDCR3kだった。
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キーは打っている最中、回路が接になっている時にはダイヤル部分が回線と同電位になるが、ショート回路では電圧は出なくなるから、感電の危険は無いだろう。良く出来ている。

回路は以下の様。

Moni.は回線モニタ。回線使用中かを調べる為のものだが、DCカットのコンデンサが見当たらず、モニタ側でも回線に当てただけでオンフック検知をしてしまう。キーも打てる事になる。

 

ps:調べるとコンデンサが入っているらしい。モニタではDCR無限大になったから、キーは無視され、オンフックも検知しない。

 

TALK.は通話。回線がオンフック動作で送受話する。

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