A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

ATO Pendule Electrique

定休日…と言っても、別段なにか変わる訳ではないけど、ゆっくりできる。いつもゆっくりしている気もするが(笑)

今現在、動いてる時計の時差を確認調整。

阿部式電気時計は+12秒出ていた。5秒遅れていたから調整して20日経ったが、1mmも回していない気がするが、それじゃ回し過ぎだった模様。回したか回さなかった分からないレベルで調整しないとシビアだ。1往復2秒だとそういうものか。

 

f:id:A2laboratory:20220606160454j:image
パリに行った時、ブロカントを回ったが、ATOは出会った事がなかった。

古い物を大切に(?)単に新しい物に目移りしないだけ(?)1品高級品買いなだけ(?)ケチなだけ(?)分からないが、向こうはそういう文化だから、持っている人は持っているであろうが、手放さない様子。

そんなでJazの掛け時計は買ったが、あれはスプリングだから、まぁまぁ。普通。キッチンかに掛けておく雰囲気と思う。

万博で並んでいた様な面白い最先端の時計がポーンと売られていたら嬉しかったが、そんな容易く出会える代物でなかった。

そんなレアっぽい様な物が国内で手に入るとは思わなかったが、輸入商が買い入れた分が国内に出回っているのかも分からない。

と言っても、1920年代辺りの代物だろうから、当時は家が建つ程の価値だったかも分からない。我國では。とにかく舶来は高価だった事には間違えない。

かなり廃品感がある汚れ具合、振り子はマグネットが外れて、凄い状態だった(^ω^;;)

f:id:A2laboratory:20220606160428j:image

バラすと新しい電池が出てきた。
f:id:A2laboratory:20220606160440j:image

93年迄の保証かな。という事は90年代の製造かな。

その位迄は動いていたらしいから、機械の程度はミテクレ程悪くは無い様子。

f:id:A2laboratory:20220606160435j:image

振りベラは折れていなかったが、振り幅制限のネジに、振りベラが斜めに挟まっていて停止していた。

そういう所は気が利いていて良い設計だ。

機械は粘っているだけだった。

本体に対してかなり小型な機械で、最小限で精度を求めた物と思う。

作り込みはかなり良く凝っているから、バラすにも頭を使う設計。

辿り着く迄が長いタイプ。

ケースはどうやって組んだのか、寄木細工の様な巧妙なもので、総真鍮枠でガラスが入っているだけである。

重量はケースだけでかなりある。

f:id:A2laboratory:20220606160443j:image

文字盤は銀メッキかな。錫メッキではないらしい。生臭い。
f:id:A2laboratory:20220606160433j:image

灰皿から灰を。これで白くなる。
f:id:A2laboratory:20220606160446j:image

機械は洗って、給油は必要ないが、ちょっと塗布した。

トルクが掛かる構造ではないから摩耗はない。

押し進めているだけの単純構造。
f:id:A2laboratory:20220606160451j:image

表は模様入りの地板。凝ってる。
f:id:A2laboratory:20220606160438j:image

洗いと調整をして組み立て。

コイルは3.6kΩあった。

ボビンは小さい割に結構大きいから、かなり細いのを相当巻いているだろう。

右側にも同じ様なのが付いているが、これは恐らく振り子の脱落防止で、ダミーの木製ボビンである。左右に付いていた方がミテクレも良いという具合だろうか。

ps:銅の筒が入っている様子。磁石に対して銅の筒だと、瞬間的に銅筒には電流が流れそうだが、これがどういう作用があるのかは分からないが制動になる(?)磁界を切る作用が働く(?)

f:id:A2laboratory:20220606160449j:image

裏板はアルミで、アルマイト処理だと思うが、洗うと真っ黒に溶け出したから、塗ったのかな?

綺麗でないからガン吹きしてしまおう。

f:id:A2laboratory:20220606160430j:image

ケースは洗った。かなりヤニが凄かったが、人の事言えない(^ω^;;)

私もかなりモクは吸っているからヤニっけるが、これになる迄には、結構な年月が必要そうだ…

背板は無くてもケースは壁に掛かる仕様。

元々は背板にバッテリーボックスが付いていたらしいから、この設定に戻す事にした。

ボコボコ穴開けされていて綺麗では無くなっているが、致し方ない。

1.5Vで動くのか実験してみたが、良く動いてくれた。

まぁまぁ元から1本入っていたし、これで動いていた様だ。

調整は分解した際にやったが、接点クリアランスをネジで微調整が効く様になっていて、これも親切。

光星舎やアトラスよりもギャップを広く、瞬間にしか接触しない様な調整にしたが、振り幅は大きいから、もっと近付けるとオーバーしてガイドに当たっていたかも分からない。都合良かった。

f:id:A2laboratory:20220606170126j:image

これりよりも古いモデルは“つ”の字にマグネットを曲げていた様だが、棒にしても良かったのであろう。

コスト的にも曲げるよりか長さも重さも少なく済みそうだ。

f:id:A2laboratory:20220606170827j:image

まだ酸化して薄黒いが、まだまだマシになった方かな。

フランスらしいというか、顔はあまり可愛くない。

フォントがそう思わすのか、指針の凹凸が少なく、彫りが浅いからなのか、日本人っぽい面に似ている気がする。

逆に我國のは縁が太く、欧州の彫りの深い顔に見える。

自分は鼻が高いのが好き。

つむにゃんも鼻がツン出ていてカワイイ(笑)

f:id:A2laboratory:20220606171623j:image

高級な鉄仮面みたいなニャンコはゾクゾクする程苦手。何処が鼻か分からない。御狐が好きなだけか分からないが(笑)

腕時計で、ガラスとダイアルに隙間が無いみたいなペッタリなタイプも本当は苦手。

f:id:A2laboratory:20220606172006j:image

こういうポテーっと丸々した邪魔になるみたいな風防とダイアルのラウンドしているデザインに惹かれる。

f:id:A2laboratory:20220606172453j:image

デジタルのLEDは論外に魅力は感じないけど、機械式のガチャガチャデジタルは動いている姿に惹かれる。“おー。仕事しているなぁ。”そんな様に(笑)

ただデジタルは見易いけれども、中間の曖昧差がどっちなのか分からなくて困る時はある。

だから100分台、1000分台と細分化して桁を落として行くけれども、結局最大分の幾つなのか、ぱっと見では分からないから、暗算しないとならないけど、アナログなら、〜%が幾つなのか瞬時に分かるし、時間も結局、〜時のあと何分後だとかもデジタルであると逆算しなければならないけど、アナログであれば、ぱっと見の感覚的にどれ位っていうのが分かって、早く済む。

放送局はアナログの時計が主で設置してあるのはそういう理由もある。

まぁまぁ両立して置いておけば良い話で。

調整卓でも、LEDのバーdB計だけだと、瞬間は分かるが、アヴェレージの確認にアナログメーターが卓の上へ鎮座している。

デジタルの方がコスト的にも安く済むのかも分からないが、アンニュイを知る為にはアナログからは離れられなそうだ。