A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2022/03/28

客先さん回りで忙しいのか、ただ巡回しているだけか分からないけど、酷く壊れたセットは今の所少なくなってきたから、試聴してから分解して手直しする事はやっていないが予備軍は見つけた。

JBLハーツの周波数特性をスウィープをかけて調べたら、300c/sが急激に窪んでいて、聞いていてもスゥっと谷になり、音が小さくなる場所があった。

しかしこれは、恐らくウーファー側とハイ側とのクロスオーバーで、位相が逆さに入っていたと思うから、それなんだと思う。

互いが打ち消し合うのが300c/sの可能性が高い。

全体特性は山になってた。低い方も函は大きいがそれ程低いのは得意でないらしく、100c/sを上回らないと音が小さいと感じる。appのスペアナでは無音時でも50c/sで55dB出ているから、精度は気にしてはならないのかも知れないが。

ハイは20kc迄出ているが5kc辺りから下り坂だから、SP盤を聴くならば、RollOffフラットでイコライズすれば、スピーカー側でハイ落ちをしてくれるから、全体バランスは良くなりそうだ。RIAAの場合も、RollOffをフラットでないと、20kc側が-20dBかけるとトータルで-40dB以上に深くなってしまうから、モコモコしてしまうであろうが、音量を上げてやれば、出難い低域も持ち上がるし、ハイも聞こえる程に上がった時は、具合良いかもわからない。

そんなで、マランツ1のトーンコントロールで、ドンシャリに調整してやると山は大分平坦になったが、300c/sの谷は余計に目立って深くなってしまった印象。

それはまぁ癖として、オーナーが気に入れば良いのであるが、それ以上に致命的な問題があって、ダイアフラムが腐り出しているか、550c/sを入れた時に、掠れた様な、フォーと信号以外の音がする。

鎧戸のアルミが共振して鳴っているのかとも思って触って押さえ付けたり、箱を押さえたり、色々やってみたが、やはりドライバーから発していた。片chのみに生じているからダイアフラムの不具合の可能性大。

マランツ2の調整は済ませているから、内蔵のメーターを当てにして良いのであれば、合っている。

ACバランス調整があり、信号発生をヒーターから取ってやっていると思うが、OSCを持ち出す必要がなくて良い設計である。まぁまぁズレないが(笑)

ただ私が思うに、終段のOPT部分のプレートから出るACバランスを見るのが正しそうに思うが、多分これは反転ドライブのプレートのACバランスを見ているのではないかなと思ったり。回路を見る機会があれば見てみるとする。

 

ドライバーは函から外すのが大変そうだから、小さい音で鳴らしている分には、変な音はしないから、其の儘でも良いのではないかと提案しておいた。

ドームの金属ダイアフラムは薄い事もあるし、VCが接着剤でくっ付いているから、そこが外れかけたら、鳴きが生じるし、金属が腐食を始めると薄いから穴が空くから、その微妙な穴の開き方で均一にならなくなるから共振が始まり、信号とは違う音が鳴る。

もしくは、ユニット内が薄らサビを生じて、その錆がダイアフラムに触っているだけなのであれば、それを綺麗にしてやれば元に戻る。

コーン紙の場合は、周波数によってコーンの至る場所が其々に振動するから、分割振動をするが、ダイアフラムの場合は均一に振動する。

だから、コーン紙のユニットをホーンに付けたらホーンスピーカーになるかと言えば、それはまた意味合いが異なる。