A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

アース点不良/完成 マツオ サウンド プリアンプ 改造

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色々と問題のあるマツオサウンドのアンプであるが、電源部で既に1点アースが成り立っていない所が気になったから修繕してみる。

 

平滑の初っ端2段は、ACアウトレット付近にシャーシアースされている。

しかし、それ以降は入力(?)の方まで線が引き伸ばされていて、シャーシアースされている。

普通、1点アースというのは、電源、終段、初段、入力部でシャーシアースが普通であるが、これは、電流ループをシャーシを通す設計であるから、この電流渦がシャーシに起こる事になる。

増幅側のシャーシアースも、多岐に打ってあるから、複雑なノイズを発生させても不思議ではない。

1点アースは守れないし、これで小信号増幅をしようというのだから荒っぽい。

改良というよりも、殆ど配線は総やり直しをしないと、良くはなりそうにないか。

言い換えたら、幾ら良い豪邸でも、地盤や基礎が不十分であれば、グラグラ不安定という結果になるのと同じ。

パワーアンプであれば、扱う信号が大きいから、こんな様な配線方法でも悪さしているのが気にならない程に済むであろうが。

言い換えたら、掘っ建て小屋ならば、地盤が悪くても、その悪さに気が付かないか。

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アースを1点に変更したが、複雑にアースが取ってあるから流れが綺麗にループしているのか、少し怪しいが、ノイズレベルに変化はなかった。

フォノ段は外してしまって、全体利得は20dBである。(ゲイン不要の場合は-20dB掛かる様にした)
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ステレオ出力とモノーラル出力とを別出しにして、ステレオミックスを球で行い、高忠実ブレンドにしている。

抵抗でミックスすると、他chとのクロストークがあるし、両chで干渉があって低域や高域の一部が下がって変な音となる事がある。

これを解決する為に、混合管を使う事で、互いの信号に干渉せず、変調して出力となる。

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スペルミスと打刻ミスが多かったから、上から貼らせてもらった(^ω^;;)
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試聴。

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シールド線を幾分減らしたから、HiFiである。

元の音は聞かずバラしてしまったが、まぁHiFiではないだろう。

10cm大体300pfにはなる傾向があるから、それを1m使ったとすれば、3000pf、0.003μFのコンデンサがぶら下がっているのと同じ効果で、長ければ長い程、ハイカットに作用して、ナローになるのは言うまでもない。

YamahaのCA-1010を使っていた事があるが、シールド線を使わない為に、入力の近くにセレクターを配置し、長いシャフトをフロントパネルへ回していた。良い設計である。

High-Fiderity、高忠実度アンプを設計するのは難しいが、基本を抑えたらそんな外れた物には仕上がらないかと思う。

昔の雑誌で、パワーアンプは素人でも作れるが、プリアンプはメーカー品を買った方が、難ないと結構長い事言われていたが。