A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

時計修理色々

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不具合のある3種がドック入り。
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まずはエルジンのソーラーを修繕する。

状態は燈のある所では動作を始めるが、2つ飛びになったりと安定したステップではない。

暗くなるとすぐに止まってしまう。
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ソーラーの場合、1次電池ではなく、2次電池を用いるから、これが不良になった事による症状と判断。

GC920は現行で製造中止品であるから、代替え品を注文したが、数千円もするとは思わなかった。高価である...

リチウム電池かと思っていたが、0.33Fの表記があるから、330,000μFのコンデンサらしい。

二重層コンデンサではなかろうか。

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分解をすると、内部が濡れていて、水滴は出ていなかったから、電解液が漏れ出て容量抜けを起こしたと思われる。

一部に腐食があるが、本体に迄は至っていなかった。

代替え品には、接触子が溶接されていないから、これを加工する必要がある。

同じ型番でも、他のと互換が無いように、あえて独自の接触板を付けて、交換部品を売ろうと考えたのであろう。

大手がやりそうな手口である。


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電解液で腐食があった為か綺麗に外せた。

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注文した代替え品も来たから交換、良く動いている。

これにて1つ修理完了。

 


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お次。Seiko5である。

日付が送れなくなったとの事。
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ゼンマイを外部から巻く機能が無く、毎日使う事を前提とした品であるから、皮脂汚れがかなり多いのが“5”の特徴か(^^;;

防水は完全とは言えなさそうだから、ガチャガチャと洗うのは危ないであろう。

雨に濡れる程度だったら良いであろうが。

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開腹、竜頭の部分もかなりの層になっているから、ほじくり出してみたが、押し込めずに日付が送れない訳ではない事が判明。
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そうやっていたら、内部に怪しい破片を発見。

どうも折れたらしい。
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折れた場所を特定する。

日付が送れない原因である可能性が高そうだ。
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ナルホド、押し込みで送るレリーズの折込部分だったらしい。

結構重いバネが掛かっていて、特に24時近くで、日付変更の歯車が噛み合っている時に送りの操作をされてしまうと折れるかも知れない。

そうでなくても、頻度が高いと弱い箇所に来るだろう。

ガラ箱に似た様なのが転がっていたと思って探したが、日付無しのモデルだった。f:id:A2laboratory:20210203162438j:image

裏蓋にウンと書かれている様である。

運の悪い故障原因であった(^^;;

占いかな(笑)

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Junkを買って迄は修繕を望まないとの事だから、修理不可という事で完了。

 


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もう1つ。

月表示の部分にクリックがあるだろう(?)が、緩くなってクルクル回ってしまい易いとの事。

目覚まし付きトラベルウォッチの分類である。
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分解してみると、この通り。

元からクリックはなく、プラスチックを溶かして止めてあるだけであるから回り易い。

隙間に回り止めを加工して回り難くした。

31日でジャンプさせる機能もありそうに無いから、手動で送る事と思われる。

 

とりあえずこれにて完了。