A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2020/04/01 綿生酸化銅整流器UY型

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ちょっと興味のある部品が付いていたから衝動買いしてしまった、ガラクタ ラヂオ。

ラヂオ屋のガラ箱にあった様な、やれ具合である。

シャーシのみであるが、定めしフィールド型が付いていたっぽい。

シャーシの色やらからして、戦前かのセットの雰囲気。

球は12F、UZ-225D、30、UX-32(没)、UY-27A、UX-32

これらが付いていたが、ソケット案内だと、KX-12B、225D、30、30、27A、37となっている。

多分空気球になった32は穴埋めに不適当に挿しておいた球だった可能性がある。

 

UY-27Aだけが傍熱型で、メッシュプレートだ。

他は直熱型。

UZ-225Dはよく見るとツイントライオードらしい。

構成は6Z7風であろうか。

直熱型の双三極管は見た事が無かった。

それともう1つ、綿生酸化銅整流器UY型という物が付いている。

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内配は戦後も修繕した様に見受けられるが、まぁハンダがお粗末でガチャガチャで外れている。

1:3のトランスは多分切れているだろう。

ps:低周波トランスかと思ったら線が3本しか出ていなかった。どうも反転トランスの様子。

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電灯線は見かけないタコ足迄付いている(笑)

柔らかいから使えそうである。
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っで、これが気になったブツ。

綿生酸化銅整流器UY型 とある。

販売元 合資会社 日本トレイデング商会 東京 大阪...

日本トレーディング商会...今風な横文字ネーミングな気もするが、今も昔もあまり変化がないという事かな(^^;;

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AC4.5Vを入れるとDC2V 500mAが取り出せるらしい。

結構大きいガタイにしては、小さい感じがあるが、ググるとどうやら亜酸化銅整流器の様である。

酸化銅整流器は、球よりも実用化が始まっているのが早く、より古くからある素子である。

RCAの初期の励磁型スピーカーに亜酸化銅整流器が使われているが、その後のモデルが球を使ったUX-80になっている。
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これはオリジナルから、UYソケットにマウントさせて使い易くした品物の様だ。

ソケットにはAC/DCの指示が刻印されている。

 

シャーシの配線とトランスの雰囲気から、オリジナルからこれは付いていた物らしい。

バイアスを掛ける為の物らしいが、外部に線が引っ張ってあって、可変できる様になっていたか?分からない。

 

残っていたロータリーswを見てみると、ちょっと変わった配線になっていて、off-on-off-on に電源が入る様になっていて、高周波段のフィラメントのみoff-on-off-offになっている。

AFと出力段は電源に同期していて、どうやら電蓄としての使用の場合には、高周波段のフィラメントを切ってAFに直接P.Uを繋いで鳴らすという構造らしい。

6球 高1再生で、豆コンが音量調整代りであろう。VRは見当たらないから、電蓄使いの場合に、放送がブレンドされてしまうのを上手い事回避している。

古典WEのPAアンプでも、音量調整にフィラメント電圧を加減して音量を決めるっていう回路が採用されていたりしていた。

直熱型ならではの特色とも言えるか。

 

さて、他の部品はどれもダメであろうと見込んだが、電源トランスは断線しておらず使える事が分かった。

絶縁も見てみると1kVで50メグ出ている。

この古さだとソケットも絶縁が怪しいが、調べると、これまた50メグ以上あった。

埃を拭えば、もう少し絶縁は良くなるかも知れない。

通電してみると問題なく使えたが、少々このトランスはクセがあって、フィラメントの線が3本、内2つは2V、1本は2.5V。

そして2V線のCTがシャーシに既に落ちていて、トランスをバラしてみたが、コンパウンド詰で、どうやらCTは内部でケースに結線されているらしい。

ナルホド、だから亜酸化銅のバイアス用のタップが出ているのであろう。

B-を浮かすという手もあるが、Cの絶縁が難しい時代だったのか、-Cを印加しようというのはラジオでは珍しい気もする固定バイアス式だ。

Bはタップが3つ出ていて、98V、120V、150Vであった。

400Vとか500Vとか出ているのかと思っていたが、案外低いから球の長寿優先に配慮した設計なのかも知れない。

12Fに入っていたのは、一番低い98Vである。

 

アンテナコイルは外されて無かったから、電気蓄音機として使える様に設計して作ってみる事とする。