A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

引き算 足し算

6A6ppの続き。

動作原理を調べ、レポートとしたもの。

 

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前段のカソードを次段グリッドへ入れると、前段(5670の場合)は割と深めのバイアスになって、カットオフに近くなった。B級。

後段は前段からの電流が正バイアスとなり、後段のバイアスは0Vよりか高くなる。

これを置き換えにすると、可変抵抗器の様に表せる。

厳密には、p-k間の抵抗値はgによって可変し、負の電位にある時にはg-k間に電流は数uAも流れないから、整流器が挟まっている様なものと見做せる。

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Fig2は、当初考えていた動作図である。

V1から流れて来た電流IはV2のgを通り、kを出てRkを通る。

Rkに発生した電圧EがV2の自己バイアスになり、Rgによって V2のgへ繋がり、k-g間のバイアスが成り立つ。

これでV1から電流Iaがgへ流れ、正バイアスになっても打ち消す事が出来る。

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然し乍ら実際にはFig3の様に、V2のRgだけで機能はせず、V1の最短経路として、V2のRgはV1のRkとしても機能した。

よく考えると、IaはIa2を流れ、V2Rkを通るよりも、Rkを通った方が早く、電流も流れ易ければ、そちらを選ぶ筈である。

Fig3上のRkはV1のバイアスになり、これは浅い方向へせしめる事が出来る。

浅くしておくと暖気運転になるが、カットオフが近くしておくよりも歪みが改善される。

信号が大きくなると、V1のRkは大凡無視されて、V2のgに流れ込む。

従ってV1は、Eg0V付近でIp20mA以上流れる球を選ばなければ、V2をフルスイングさせられない。

 

この欠点として、V1がカソードホロアに働くから、増幅度が得られない。