A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

EDD11の入力トランス

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EBC11が電流は流せるのだけれどもあまりμが大きく無い様だから、1:5の入力トランスを巻いた。

コアが大きいし、あまり多量に巻かなくとも良いのだけれども、鉄の方が多く鉄に頼る音は普段聞いているから、銅に頼る音が聞きたいから、そこそこに多く巻いた。所謂昔のセットの音である。

 

段間の3:1は、テレフンケンのデータシートを良く読んだら、ミス巻きした事に気付いた。

オーダーはctから端を見て3:1であって、両端3:1で巻いてしまうと、ct間だと6:1になる。

オーダーは両端で見ると1.5:1なのである。

半分圧縮という訳であるから、5W迄フルスイングしないのかも知れない。

かと言って、低く出しているから、ドライブの馬力は強いが、それを押すだけの初段の電圧増幅能力が必要になってくる。

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オーダー通りに別のボビンで作った。

音は一段大きくなった。倍程大きくなってはいない様な気はするが、小信号で十分なゲインが稼げている。

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多く巻くとマイルドになるかも分からない。

ゆったりと柔らかさがある様な。

巻き数が少ない物は、ダイレクト入力に近いガッツリ、バンバンした感じの明るさというのか、強いメリハリ感の様なのを感じるが、単一的に明るいだけかも知れない。

多く巻いたトランスは、柔らかくなる様な、少し大らかになる印象があるが、聞いてみると細い音との差が出ている様な単一的ではなくなっている様な、そんな印象である。手前、奥の距離が出る、後ろの細かい部分との分離が良い様な印象。

球の回路では高応答速度で組む事で、寝ボケ防止に役立っている可能性がある。

普通回路では、応答速度がカソードから大きな容量のデカップリングを通り、アースを経由して戻るから、Cが2段入って遅れ位相になる事になる。

WEの古い構成では1個のカップリングで、低容量で済むから位相のズレは最小で済む。

単に1個でも部品を少なくコストをカットしたいだけの事でやっていたという可能性も考えられるが、今とは電源事情も異なるし、今となっては真相は分からないが、良く良く研究されている事と思っている。効率が良い。

入力のLは進み位相であるから、小さいCとで、位相差を補正している可能性も考えられる。