A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

807pp AB1 改修/動作チェック

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お客さんからプレート線は赤の方が良いとの連絡を貰ったので交換。

舶来の線を注文しておいたが、探したら手持ちの赤1.25があった。
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耐熱仕様で高圧も絶縁が良いから、本当だったらこっちの方が耐久性はバッチリなんだけも色が選べない難点が。

無線機の場合は裸のメッシュ線がビロンとしているのが良くあるスタイルか。

自分が使っている物も殆ど剥き出しに近い状態になっている。エンパイアチューブが枯れて無くなったという状態を放置して使っているとも言えるが。触ってもシャーシを触らなければ感電しないから大丈夫(笑)結構危険なので真似しない様に。

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交換完了。

同時に手直しもしておく。
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キャップもハンダして完成。

OPTの銘板が剥がれ落ちたが、後で接着しておく。
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音出ししてみる。
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元々付いていた球でテスト。イオンが飛び出し青々して真空度は良さそうである。

整流管が無いから、電源を入れた直後は400V程Bが上昇する。

一応450V耐圧のケミカルを使っているが、これ以上のタップを使うのはパンクを早めて危険であろう。

耐圧は450Vであるが、ピークは20%の540Vを入れても大丈夫な様にフォーミングされているが、年月経つと再フォーミングしないと、電流が流れる様に劣化してしまうから、やはりパンクの危険があるからマージンを取っておいた方が、メーカー寿命の10年は安泰であろう。

動作が始まると340Vに落ちるが、それでも-31Vのバイアスで@32mA〜42mA流れるから、ppで具合の良い程であろう。

それに、三結の接続になっているから、SGが最大定格300Vを超えてしまっている事になる。

しかしながら、結構最大定格を無視した構成は多いから、これくらいはまだまだ良い方であろう。

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最大出力は8Ω 12.5Wクリップだった。

ステレオで25Wもあれば一般宅であれば、相当鳴らせる。

クリップが徐々に来るというよりか、突然に起こり、ピークでもそれ以上に振ることが無いから、A1の範囲でしか動作出来てない事と伺える。

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807のグリッドを見ると、やはりバイアスの30数V迄は振っているが、0以上のプラス領域のA2動作に掛かる信号は全てグリッドに吸われてクリップしている。

初段、ドライブ段では、信号のクリップは無いから、A2動作をさせようと思えば出来そうである。

この事から、本機はAB1級である。

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AB2動作の物とサイズを考えると、これ1台でモノーラル単発で、トランスもコンデンサもギッチリ詰まっているから、似たサイズのシャーシでステレオに纏めるには、なかなか難しいかなと。

もうちょい大きいシャーシならば、前に作った815(807が2つ入った球)のステレオAB2を作った事があるが、トランスが馬鹿デカイし重いという具合だったが、作れない事はない。

 

とりあえず、動作試験をして様子見する。