A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

Rhythm 9 monthly

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リズム時計の修繕依頼。

なんでもオクで買ったそう。9日巻きなる不適切な説明が書いてあったが、時計の出品は多くしているが知識はあまり無いらしい。

9monthlyという事は、9ヶ月と直訳できるが、ゼンマイは30日巻きである。

カレンダーも31日の次は手で送らないと32、33...と続いてしまうから、これは9週間、要は1ヶ月のという意味であろう。

この手の時代の物は30日巻、機械式後期の60日巻になるとSuperHighClassやら凄そうな名称があったり。(稀に30日巻でも書いてある

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とりあえず動く様子。

ボンボンは鳴らないとの事だったが、ハンマーのバネ折れ。

腐食が激しい部分があるが、メッキの洗いが雑だったのか、給油された物との相性が悪かったのか分からない。

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機械のOH歴は無いのか綺麗でマズマズ状態良好。

ホゾには黒い油が浮いていて、上から給油をしたと思われる濡れ具合。

給油をしてはならないとさせている部分にも給油がされていてビシャになっていた。
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洗い。
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チェック。

組み立て。
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破断のバネは少し引き出してトルクを加減してやれば良い。

時報は欧州の合理的構造を模したか、上手い事調整すれば良くなっているから、とりあえず組めば、後から調整で良くなる。調整ポイントが奥まっていてクリチカルであるが。

文字盤のプリントが大分きている。

もう、どうにも触れないレベルで、輸送で結構剥がれたらしく粉々しい状態で、指針合わせに爪でも引っ掻いたら全て落ちてしまいそうである。

とりあえず定着ラッカーもコンプレッサーもあるから、ガン吹き出来るが、光沢が上がるかな。完全に定着はしないだろうけど。

とりあえず定着させるかは、持ち主と相談とする。