A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

ダブルアーム 2入力 ブレンド フォノアンプ

RCAのパッシブEQは、それを通したらデコードアンプは不要になるから、計算上60dBになるストレートヘッドアンプを組む事にした。実質は60dBは無いと思われ。

一般的には、ヘッドアンプはデコードカーブが組んであるのが普通であるから、デコードを2重に繰り返してしまったら、倍のデコードが掛かる事になる。

マイク入力もイコライザが無さそうであるが、入力負荷インピーダンスが定めし合わないのではなかろうか。

テープヘッド入力はCCIRのカーブがあるから、また独特のカーブになっているから使えない。

もう1本のP.Uは、パッシブEQは無いから、基本カーブとしてRIAAでデコードしてやり、最終的にはBassComp. Treble Comp.で耳合わせで行けば良いだろう。

専らRCAのパッシブEQはNartbデコードだから、P.U自体の音がどうのというよりかは、デコードカーブがそもそも違うから、音色が違って当然で、HiFiかナローかの違い程度であろう。

HiFiをナローにするのであれば、高周波特性の悪い、古い鉛線を使えば、古風な音にはなる。

もしくは、デカップリングをブラ下げたら、ハイ落ちを起こすからナローになる。長いシールド線を使った時と同じになる訳である。

逆にナローをHiFiにするのは不可能に近い。

無い信号を幾ら増幅しても、それはノイズを聞く様なモノで、ハイ落ちさせた場合も同じで復元は無理であるから、ハイ落ちさせない様に伝達させる事が重要であろう。

 

f:id:A2laboratory:20201013111105j:image

エスパーフィギュアは置いといて、シャーシを加工してきた。

f:id:A2laboratory:20201013111108j:image

2アーム 2入力をそれぞれ増幅し、ブレンドは信号混合管と同じく、2つのコントロールグリッドに其々に信号を入れ、プレート出しにした時にミックスされるというものである。

これにて入力切替の手間を減らしている。

普通、抵抗で信号をブレンドすると干渉する場合があるが、変調でミックスした場合は高忠実である。

f:id:A2laboratory:20201014203816j:image

NF型は死んだみたいな音がするとの事を言っていたから、CR型で組んだ。私には理解が追いつかないが、人それぞれ感じ方があるから致し方無いが、LCRが一番良い…というのは、単に中高域が持ち上がっている音が好みなのではないかと思う節もある。

WEやTELEFUNKENが好きな人はおそらく声が好き。

伴奏よりも声、寧ろ歌詞の内容…だったりしないだろうか。あながち外れてはいない様に思うのだけども、いかがかしら。
f:id:A2laboratory:20201014203805j:image

トランスの上へヒューズは付いているが分かり易くするのとドロップにBにもヒューズをつけておいた。

ヒューズと言ってもランプであるが、戦前よりヒューズに使っているセットはあるが、大抵は自作品の安全用に用いられている事が多いか。
f:id:A2laboratory:20201014203801j:image

試作兼完成品だから、変に電流が流れていないかを見るのにも役立つし、尚且つマイナス側の平滑にもなる。

ケミコンがフォーミングが入り用になる程に劣化すれば、パンクを引き起こす可能性もあるから、これの阻止にもなる。

使い方によっては、-C用のバイアス用途にも使える。
f:id:A2laboratory:20201014203808j:image

今回は電源強化型にした。

後から考えついたというか、追加した様な雰囲気ではあるけれども、毎度お馴染み、定電圧放電管と1000μFのケミコン。

1000μFを入れると、電圧が安定すると思う方が居られる様であるが、それはリプルが減るというだけで、電圧は安定はしない。

一度チャージされると、放電迄に時間が掛かって、電圧の上下が遅くはなるけれども、とどのつまりは、50μF2段の時とあまり変化がない。

リプルは綺麗になるが、やはり完全に綺麗という訳でも無い。

別段、50μF数段で定電圧放電管という組み合わせでも十分であるが、ドーンと奥深い低域を安定させる為には、大きい容量のを入れると良い。

定電圧放電管を通すと、電圧はピタリと固定に、リプルも綺麗になくなり、石のフィルタを組んだ時と同じ様に綺麗になる。

ただ、電流が30mAという制限があるから、大電流を必要とする場合には、6070/6AS7等を併用するしかない。

今回は電源の容量も大きいし、必要電圧以上に電圧が上がって来るから、20mA流して使う様に設計したが、実際には13mAしか流れていなかった。

最低5mAであるから特に問題はない。5670の増幅段は各1mA程で、5段でも5mAで、8mAは放電管が消費している。

何時もよりも、多く電流を流している事も、シャーシがアルミ無塗装という事もあってか、良く光っている様に見えるが、あまり良く光る様だと寿命的に短くなるから、無理させない使い方の方が良いのは言うまでもない。
f:id:A2laboratory:20201014203814j:image

リプルの面で半波巻きであるから、4石で全波整流として、ラッシュカレントでヒューズランプが飛ばない様に5MK9でタイマーにしている。

5MK9は日本独自規格だから海外にはない球である。

古い規格で、12F、80HK/BKがそれに大凡該当する。やはりこちらも独自品である。
f:id:A2laboratory:20201014203811j:image

初っ端はヒーターをAC点火でハムバランサにした方が良いか、バイアスにした方が良いか、それとも逆相を入れた方が良いか、試してみたのであるが、一番ハムバランサが静まる様であったが、それでも50mV程出て静まらないから、DC点火にした。

6800μF1つ入れるだけで、リプルは50mV強残っていたが、十分静かになった。

試しに2つ3つ入れて、リプルを更に下げて、残ノイズがどう変化するのか確認したが、マイクロホニックの方が上回ってしまって、1つで十分という結果になった。
f:id:A2laboratory:20201014203758j:image

ゲインがかなり高いから、球に近くだけでハムが増すから、シールドキャビネット内専用のレイアウトである。

VR類は一度セットしたら、基本的には触らないものである。

 

youtu.beSP盤を聞いていたから其の儘繋ぎ変えたのだけども、ゲインが高過ぎ感がある。

送り出しがかなり大信号。

上げるのは難しいけど、下げるのは後でも大丈夫…

 

f:id:A2laboratory:20201014231357j:image
f:id:A2laboratory:20201014231354j:image

これにて一応完成。