A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

ノイズの出る SME アームのオーバーホール

修繕依頼品。SMEの旧タイプだとか。

ボディアースが不完全でアームに触るとハムが出る。

アームを動かすと、ゴロゴロとスピーカーからハムに混じって動く音がする。

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サービスマンで出張、不良判断をその場でして外して持ち帰り修理にさせてもらったのであるが、ソケット部のアースが各所で20Ω以上を超える状態。

場合によっては、絶縁状態になる。(浮く)
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前修理人がアルミ箔をドライブの内側や、色々とシールドを施したり、古いシールド線を外してamazon choice(?)のケーブルに変えたりとしているが、最良な修理になっていない様に見受けられる。

シールドにシールドを重ねるのは、とにかく不自然。

アームに接する形で、アース線を引いて使うと良いというのも不自然。

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右の端からGnd共通になっているが、普通は信号線とは別にアース線を引くが、RchのマイナスとGndが一緒にされている。

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この手のアース問題は大抵ベアリング玉であるが、これはどうかな。

分解掃除してやり、各所間抵抗値を見て小さくなる様に仕上げたら良い事になる。

私の使っているレコカットのアームもそうだったし、古いアームは、何かしら問題がある。

手入れしなくては、真っ当ではないのは言うまでもない。

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このベアリングは玉を端に入れる古い様式ではなくカゴに入って、交換が容易になっていた。

レコカットは玉がバラける。

内部は錆が発生、絶縁状態でも不思議ではない。

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洗って給油し馴染ませに回して良き所で洗い直し。
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組み立て、検査を進めるが、20Ω台ある。

止め具をガッチリ締めれば問題なくなるのかも知れないが、確実性を高める方針に切り替え。

内部から1本、アース線を引き込み、アーム内で固定。
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これを信号線と同じに出した。

これにより、0.5Ω以下になった。

 

RCAソケットの出ている線は、ウェスタンの古い物に変えて欲しいという希望であったから、交換。

これはハンダだけだから簡単。

 

これにて完成。