A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

6Z7G 実験(ゼロバイアス カーラジオ向け B2級球)

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79や2C34に似た球で、6Z7Gがある。

2C34のパワーの1/2程の球で、Eb180と低圧である。

元はカーラジオの終段用の設計らしい。

こちらは完全にB2級の球で、0バイアスで12mA程流れる。

グリッドも常に電流を吸う様な状態である。

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電極の形状はussrの6SL7の様である。

 

ゼロバイアスでも感度は良く、音出るものの、かなり歪みっぽい。

バイアスが浅過ぎる事が考えられる。

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実験回路はFig1に示す通りである。

入力はOPTを逆さに使っているだけである。

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歪みを改善する為に、グリッドバイアスに+4.3Vを印加し、電流を流す事で歪みはグッと低くなった。

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グリッドは常時@1.5mA流れ、Ip25mA ppに増えた。

グリッドが常時吸うから、カソードフォロアかトランスでないと動作は難しいが、カソードフォロアの場合は、カップリング無しに直結した時に4Vが掛かる様にすれば良さそうだ。

 

専ら、当時のST管を使ったカーラジオを考えると、車本体もそんなに良い遮音性は無いだろうし、クーラーも恐らく無かっただろうから、窓を開けて...と考えると、歪みの少ない音を出そうというよりかは、音声が車で聞ける事が凄い...という雰囲気であった事と思われる。

スピーカーも、筐体本体に付けられたオーバルであろう。

多分、元々付属ではなくて、後から追加する様なタイプと思う。

MTの電池管が多くなってからは、ダッシュボードに埋め込みになって、上向きにスピーカーが付いたデザインと思われ。

戦後にRCAで、7インチシングルを聞ける様にするユニット型の物が発売され、ベルトでアンプ下に巻きつけるスタイルで追加するプレーヤーである。

その後に、1枚1枚差し込むのは面倒という事から、落下する原理のオートチェンジャーになったタイプもあった。

http://www.darkroastedblend.com/2010/04/car-record-players-other-cool-vintage.html?m=1

 

https://www.consumerreports.org/cro/news/2014/04/record-players-were-the-infotainment-systems-of-the-1950s-and-60s/index.htm

 

ググったらRCAのワンショット型のモデルは分からなかったけどPhillipsのオートが幾つか。