A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

CRC 82/83 保護回路を考える

実験から、適当と思われる回路を考える。

水銀整流管だからタイマーを絶対に使わなくてはならないという事はない。

それに見合った球を使った、均衡の良いセットを設計すれば問題ない。

f:id:A2laboratory:20200719192436j:image

実験で使った回路である。

50Ωの代わりにランプを使って、電流がどれ程流れるかを見るのに使用した。

10μFの後に定電圧放電管があり、ここへは5mAが流れるから、通電して2秒後には定電圧放電管が燈る。

増幅部は傍熱管のセットであるから、大凡20秒は電流が流れず、定電圧放電管の消費分しかない。

大きいコンデンサを使う場合は大きいラッシュカレントになるから、抵抗を入れてこのラッシュカレントを抑えてやる必要がある。

ここで数十mAが流れる様だと、異常放電を起こして逆電圧が出てヒューズが飛ぶ事が考えられる。

電源を断ってからすぐの再投入は危険であり、カソードが冷えた頃を見計らって再投入するべきである。

f:id:A2laboratory:20200719192431j:image

大きいコンデンサを使いたいが、抵抗で常時ドロップさせるのは都合悪いという場合乃至、かなり大きいコンデンサを使いたいという場合には、保護抵抗を入れてラッシュカレントを少なくしつつ、徐々に充電をさせる方法が良い。

前に綴った様に、2秒で数mAは流せて、徐々に電圧は上がるから、充電の頃合いが良くなった所でサーマルリレー管がショートし、動作となる。

ショートした瞬間も、充電が程よく終わっていれば、アークは起き難いから、接点の節約にもなる。

保護抵抗無しにONすると大きいラッシュカレントでコンデンサにも瞬間電流が大きくなるから、暫く使わず充電が上手く無くなった場合にパンクする事になる。

フォーミングにはならないが、ソフトスタートにしていおけば、パンクの危険も減るし、球にも無理が無くて良い事と考える。

サーマルリレー管は色々なタイプがあるが、計算機用は、磁石で頭の棒を回してやると接触時間が可変出来る。

固定のはヒーターが100Vが多い様に思う。

この場合は、傍熱でも直熱でも両用使える方法と思うが、直熱の場合は、コンデンサの充電中に電流が流れ出すから、充電が終わる事なく電圧降下が起きてしまう可能性があるから、良い塩梅に保護抵抗を決める必要が出てくる。

f:id:A2laboratory:20200719192434j:image

マイナス側に入れて考えたが、Fig2と変わりない。

放電開始用に抵抗を入れて数mA流す様にしたが、コンデンサが大きい場合は、電流が流れ続けると思うから、必要ないかも知れないが、一旦放電が止まると電圧が断たれる事になって、コンデンサの充電とで、ポポポと発振する可能性も考えられるから、抵抗で常時安定に放電を続けさせて使った方が良いと考える。

Fig2同様、傍熱管の場合は各所が動作を始める前に充電が終わるか良い具合になると考えるが、直熱管の場合は2秒で立ち上がって来るから、電圧降下で充電不十分の儘になる可能性がある。