A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

発振する50BM8/6BM8

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先日作った50BM8シングルであるが、ふとした拍子にS.P線が外れた。

その時に、バチチとアークが球下で起きたのである。

止まったと思っていた発振はどうやら負荷がある時は小さくなって隠れているだけで、負荷が無くなると不安定になり、発振が大きくなる事が判明。

無負荷でも安定な状態になる様に改修する。


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色々やってみると、どうやら5極部で発振が起きているのではなく、初段の3極部が悪さをしている様である。

ボリュームを開放に近付けると発振を起こすから、カップリングを入れてボリュームとの関係を別にしたが、これも効果がない。

カップリングのCに手を近付けたり、シャーシアースした線を近付けると、発振周波数が変わったり、大きくなったり消えたりするが、やはり消えた訳ではなく、ボリュームを動かすと再び現れる。

試しにOPTのP-B間に2000pfを入れるとかなり高い方の発振が収まって、可聴周波数でピーピーとやる様になった。

ボリュームの位置で可変するが、基本的には発振は連続可変の様に安定した感じである。

 

ゲインがかなり稼げているから、5極部のgリークは500kではなく、100kオーダーの方が発振が止むかも知れないが、そうするとカップリングとで30c/sカットになるから、低域の豊かさが薄くなるかと考えて、初段のゲインを下げる意味で、局部NFで、200kをp-g帰還させた。

発振はピタリと止まり、発振予備軍みたいなホワイトの様なノイズも消えて安定的になったから、一番良い方法であったと考えられる。

オシロ上では、綺麗な1本ラスタのみになった。

ゲインはそれでも十分大きく、フルスイングする。

前回gに付けた330pfのフィルタは外した。
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直感で分かるようにS.P端子上は+

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あまり変化は感じられないが、最大出力が少し向上した様である。

隠れていたとしても、少なからず発振していたとすると、共振高調波でモヂっていたハズである。

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改修後 回路図

AC120Vを両波整流すると150V程に上昇する。

50BM8の場合はヒーターを電灯線で賄えるが、この場合、H-K間がオープンになってしまうから、電灯線の両側から.02μF程度でシャーシアースするとACハム消しになる。