A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

DC-AC バイブレータ コンバータ Nisshin

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シリコン素子のインバータやコンバータが出来る、その昔は、機械式のバイブレーターなる物がありました。

今回は、6Vバッテリーから60c/s 100Vを得る電源ユニットのJunkをGetしたから、修繕してみる。

日進のバイブレーターは1個持っていたが、どうやって使ったら良いのか分からず、回路図も一般的でなかった為か無いから、既存品から回路構成を得ることにした。

試しに持っているバイブレーターを挿し込み通電してみると働き出した。

試しに60c/sの電気時計を動かし、ズレが無ければ周波数が合っている事になる。
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バイブレーターはアルミの筒の中にゴムの防音、防振材に埋まっている様な感じになっている。

それでも、ビービーと音はするし、揺れは少し感じる。
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暫く通電していると、時計が動かなくなった。

電流が流れて重荷になっている様な感じで、何処ぞがリークした様だ。

調べると100Vサイドに入っている0.1μF 400Vのオイルコンが触れない程に熱くなっていて、パンク寸前だった。

相当古いからリークしたのであろう。

まぁ良い。交換して対処する。


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付いていたバイブレーターは通電すると、瞬時にブンッと音がするが、発振しない。

コイルは切れていない様だ。

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バラしてみると接点が白くなっていて、紙ヤスリで擦ってやって接触が良くなった。
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ソレノイド部分は段違いになっていて、不思議なデザイン。
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回路構成はこの様だった。

バイブレーター自体には、振り子を振らせる接触子はなくて、バッテリーの直流が直接入って、コマが引き寄せられた儘になる状態である。これでは振動が始まらない。

分かった事は、振動子の振り子に付いている接点でコイルの両端をショートさせて、電磁ブザーの原理で発振させる事が分かった。

ショートさせるとは思いもしなかったが、瞬時にショートさせる事で、シリースに繋いだトランスに大きい電流を流して6Vを100Vに昇圧するという構造であった。

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簡易的にした図。

 

元々バイブレーターは、車のバッテリーでテープレコーダーやプレーヤー、アンプを動かす為の物で、昔の宣伝カー等に使われた。

昭和30年頃の無線と實驗には、宣伝と使い方等の記述はチラホラ見受けられるが、ノンシンクロ式と同期型、各型番とで構造が違い、トランスが特殊で、タップの表記がなく、キット販売になっている事が多いから、詳しくが分からなかった。

 

60c/sの電気時計が動かせるのであれば、60c/sのシンクロナスモーターのレコードプレーヤーも回せるという事である。

専ら、OMRONの精度の高い周波数変換器は持っているから、そんなアナログの危うい物を頼らなくても良いのであるが、それがまた楽しみなのである(笑)