待ちに待ったSWが届いたので、アンプへ組み込んで最終仕上がりを試験。
暫く通電していなかったため、チャージは0になった事と思われる。
電流が流れ始めると、Bヒューズがパッと光るが、電灯線が綺麗であれば、不意の断線は無いと思われるが、もしもを考えて、予備を付けておく事にする。
5U4GBは結構早く立ち上がる様である。
安定化用のVR150が食う分があるから、電流は少し多く流れているのが、これを減らせばヒューズも薄暗くなるが、安定的に放電させるのには、電流はそこそこ流した方が良い。
Tannoyで鳴らして歪みとゲインの調整をしたが、設計通り、大凡中央に指針があれば、普通使いでは問題無い。
電流を絞ると、差動回路が絞られるから、ゲインも減少する。
電流を流すと、今度は非曲線部に掛かるから、歪みが多くなる。
バランスの良い所を使うのが良いのは言うまでもない。
これは1度調整すれば、毎日使っていても数年、長くて10数年は触らなくて問題なかろうと考える。
球屋に置いてある6Z7の自作アンプが、埃が積もり、通電していないのかと思わせながらも、10数年毎日動いているのであるから丈夫である。
球のメーカーも、実際的にどれくらいの寿命なのかを把握していないらしく、蛍光灯の寿命の様に、使用時間とgmの減少具合で所要箇所は定期交換している事が大半で、丁度エージングが済んで、良い頃合いの物が放出品で流れ出る事が多かった様である。
特にJAN規格は普通よりも耐久性が良く安定性が良いからライフは長い。
しかし、一般規格よりも安定性を重視する為にμが低い設計になっている。
初段の1本に電子グローが出ていた。
真空度、ガスの少ない良い状態である。
プレートとガラス面の間で、紫に放電する場合は、真空度が悪い乃至、ガスが多くなっているから、これはあまり宜しく無い球である。
少し見分けが難しいが、ガラス面やプレート内部の面が青く光っているのであれば問題ない。
電子がガラス面に当たって、光っているのである。
よく見ると、薄っすら出ているから各球状態は良い。
カーボンブラックの球は、電子グローを吸収させる為(反射防止)か、放熱を良くさせる為ではないかと推測。
グローは、ガラス面を触ると移動するから、電子の流れが変わる事と思われる。
カーボンブラックの球で、青光りしているのを見かけた事が無いが、塗られていない部分に電子が飛びつけば、おそらく光り出すとは思うが。
それと、長年使っている古い球でも、定格一杯まで使おうとすると、電子が飛び出す量も増えるから、青光りが見られるが、おそらく寿命的には短くなりそうだ。(高圧で使う)
シャーシサイズは42PPよりも僅か小さいが、乗っている球数は同じ17本である。
42PPはPK分割構成であるが、2C26 PPは球式差動回路で構成した。
気になる出音であるが、無負帰還で使うと、低域が豊かに押せるから、小音時には丁度良い具合に補正される様な感じがある。
ブリテンのアンプっぽい傾向感。
42PPとこの感じは変わらないが、負帰還量を増やしていくと、次第に締まりが良くなって来るから、湿度との兼ね合いで、コーン紙の重い時と軽い時で、NFBを調整して使えば、大凡同じ状態が保てる事であろう。
解像度的に言えば、Highのモヂりが薄いのか、かなり鮮明。
会場録音のアンビエントが綺麗である。
しかし、マスタリングの不可思議なソースを聞くと、それが其の儘不可思議に聞こえて、高忠実に再現されるから、ソースを選ぶアンプである。
帯域的にも満足の範囲があるし、後は出力がどれだけ大きいかの違いだけで、PA用と変わり無い質感に思った。
設計上、トップP-Gであるから、あまりハイImp使いをすると、ノイズアンテナになってしまい、宜しく無いから入力はやや鈍感であるが、5Vもあればフルスイングする。負荷抵抗は100k。
無歪み2W+2W 8ohm、本当はもっと押せそうでであるが、OPTの合成時に3次歪みが上がってしまい、これが急激に加速するから綺麗にスイングする幅的には2Wが限度であった。
NFを各カソードに戻すと3次歪みが改善される様だが、実際聞いた所は満足であるし、ホールじゃあるまい、一般邸宅であれば、3Wもあれば、連続的にはスイングしていないから、2W無歪みであれば、十分実用的。
試しに結構デカイ音で色々鳴らしてみてはいるが、結構余裕がある様で、オシロで確認した3次歪み感も無くて、少し不思議。
合成3次歪みは、かなり変調されるから、聞き慣れたソースであればすぐに音が変だと気付くが、瞬時ピーク程度であれば大丈夫という事なのだろうか。不思議。
それともエージングが進んで改善されちゃった?いや、そんな事はありえない。
押しの圧が高いから、音量は出ているけど、そんなにワッテージ振っていないのかなぁ
ps:調べると、NFが若干でも掛かっていると、3次歪みが改善されていました。
加工製作組み立て込@¥100,000枠 +送・TAX(今回は、球はお客さんからの支給品)
技術料:カンパ 笑(0円〜税金のかからない範囲でw
球が独特で、良い結果が得られるか、実験的に組んで探っての繰り返しをして最終的に本品に仕上げたので、他のマイナー球でも毎度上手く行くとは限らないのでご了承下さい。
事前に球名と保有数、希望装置名称を連絡下さい。その他シャーシや部品、回路がある場合も同様に連絡下さい、考えます。
実際使ってみて、価値がある物と感じましたら、その分のカンパをお願いします。
測器類や部品でのカンパでも頂けたら幸いです。