A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2019/12/06

オーヂオと料理は同じ。

色々とディスカッションがあった、その一部抜粋で、“高品質な部品だから結果が良くなるのは当然”という解釈は違うと回答したのだが、それは要は良好な腕の料理人が、バランス良く調理するから、結果良好な仕上がりになるのであって、幾ら高級食材を一般人が使おうと、バランスが悪ければ美味しくなくなる訳で、容易に手に入る品であっても、調理次第で美味しくも不味くもなるという事であると。

然し乍ら、料理でも腐らせてしまったり、状態の悪い品は、頑張っても良い結果が出ないのと同じく、部品も粗悪な物を使えば、幾ら良い設計であっても結果は其れ相応に出てくる結果は悪くなり、その質以上の品質を上回る結果は得られない筈で、それを上回るという事は、不自然な事と思われ。

それが良いと思うかどうかも、やはりエンドユーザーによって意見が変わってくるのも事実で、幾ら良い料理を仕上げても、お客の口に合うかは、また別問題....

他にない場合は比べようが無いから、良否が明暗に分かれる事と思われ。

オーヂオも同じく、良質で忠実性の高い物を好むか、個々に癖の強いギターアンプを好むかは、手にした人次第で、お客さんのニーズに合わせたら、それは商品であって、その期待にどれ程合わせられるかが腕の持ち様と思われ、自分の好き勝手に仕上げて、それを売るのであれば、それは芸術品という括りになると考えている。

 

 

 

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前回、最大出力近くなると、寄生が発生するという事があって、Cを挟み込んで寄生防止としたが、他で今度はウネリが出たので、元に戻した。

現在Bの消費電力は5.32Wで、最大出力は2W程である。

Ipを流す様にすると、幾分最大マージンが広くなるが、殆ど大した変化はない。

Rkを変化させて9W消費しても、3Wがギリギリであった。

クリップで来るタイプではなく、3次歪みで波形がメキシカンハットの様になる現象が現る。

ppの致命的な問題で、OPTにて合成する時に発生する歪である。

なので、ドライブ段では綺麗な大きい信号を供給出来ていても、終段にて起きる。

クリップ歪ではないから、もうちょい頑張ってくれそうであるが、2Wも無歪が得られていれば、通常使いであれば、結構余裕のマージンとは思うが、出来ることなら、もっと余裕を持たせたい次第。

これは、大きい音を出さなく使用しても、上に余裕があるか無いかで、天井があるか、青空か位に、詰っているか、開放的かの違いが現る。

 

ここで気になったのは、先日の無線と實驗に上がった2C26の記事で、先生に頼んで一部見せてもらうと、出力8Wも出るらしい。

回路から計算してみると効率がスコブル良い様で、B消費が9.2W、出力最大8W。

少々アリエナイ効率の良さ感があるが、8W出るのだから凄い…

その回路では、グリッドグランデッドで2C26を使用していて、片側10mAのppで構成。

Ebbが460Vあり、やはり高圧で動作させないと出力として多くは得られないか。


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ドライブ段、上
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ドライブ段、下

球アンプは矩形波に弱いが、結構立ち上がりも綺麗で、良い精度である方。
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出力波形を見た所で、寄生防止のCを挟んでいる状態。

波形に遅延が出ているが、これはOPTのトランスのクセの現れと思わし。

オーバーシュートでウネっている部分は、リンギングで、NFを掛けていない状態のタップであっても、十分変化が起きる。
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寄生防止のC無し。

こちらの方が波形が鈍らず、オーバーシュートも小さい。

丁度折り返し部にコブが出来ているが、これはpp合成時のクロスオーバー歪。

最大出力に到達すると3次歪、5次歪と大きくなる事は間違えないが、こちらの方が忠実性は高いから、フィルタを組むことは止めにして、出力マージンを大きくとれる様に改良する事にする。
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現状、残留ノイズは3mVとヘッドフォンを繋いでも殆ど気にならないレベルで、かなり静か。

クラシックをしっとり聞くには最高に静かで阻害されない。

が、今度はプレーヤーがリムだったりすると、そのゴロが気になり出すレベルであるから、氣にしだすと、周辺機器をアレコレ変えないとならなくなる可能性が高いパターンである。

Imp.は4と8Ohmの切り替えで、これに4回路の電力型SWを使用した。

電力用は接触抵抗が大きいだとか、音が悪くなるなんて話を聞くが、小さい小信号用SWを使うのはあまり好ましくないのではないかと思う。

というのも、小信号用は点接点であり、そこへ電流を通すのは、如何なものかと。

電力用は面接点であるのだが、これまた1回路だけだと、接触抵抗が高くなる場合が確かにあるから、2回路を1つとして使用すれば、劣化が防げる。

接触の方が電流は通り易いし、抵抗値が小さければ、損失も少なくなる。

フルスイング入力は3Vで、昨今のアンプとしてはちょっと鈍感かも知れない。

RCAのMI-9289を入力トランス無しで使った時と大体同じレベルであるが、パワーアンプとしては使い安い程と思われ。

MI9289と同じくらい…そう考えると、メタコンを6pか位にして、プリアンプも差し替えで電源共通で使えるようにすれば良かったかなとか。

う~ん、あまり兼用にすると、どちらかが疎かになっても本末転倒であるし、またそのバランスも難しい所で…