A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2019/09/18

研究所シリーズの続編。

 

mmでもゲインが稼げなくなる程のフィルタを掛け過ぎで過度になっていたのを軽くし、mcでも十分鳴るレベルになった。

球にある程度の電流を流して使えば、幾分ロー寄りになって、押せるのではないかと考えていたが、プレート出しでは、上手く行かない模様。

Rp 20k設計を100kに変更すると歪みも少なくなり、ゲインも確保できる様に。

6SN7は6CG7、12AU7系のμが20前後の球で、其れ相応に電流が流せるから、どうかなと思っていたのだけど、上手く行かないもので。

ただそれでも、ノイズレベルは低く、球にシールド無しでも、殆どハムを拾って来ないから、考えていた設計には近い感じでは維持できていた。

初段よりも3段目の方がゲインが高くなっている感があるのは、NFが浅いからと思われ、手を近付けるとハムが寄り易い。

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時定数を変更したから、今度はEQ特性がズレる。

中高域のセンターがズレて、1kc辺りが盛り上がってしまい、“聞いたことのない曲だ”みたいな感じに(笑)(曲自体が変わる事はないがw

計算して幾らでも修正は効くが、多段にしている為なのか、計算がミスっているのか、実際組んでみると、計算通りになっていない感がある音が出てくる(笑)

最後はカット&トライであるが、計算で250kと導いた数値は、最終的に20kに変更(笑)凄い差w

NFで低域補正をしているが、それも品の良い内に収まっているから、Maxにした時には、もう少しブーストが掛かる位の方が一般ウケは良いかも知れないと思って、負帰還量を倍にした。

少し3-4段目のゲインが減ったが、それでもかなり余裕でスイングする幅があるから、十分であろう。

 

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球を交換してみると、これまたハイの上がり方が若干違って、Jan球は曇り気味、cccp球は晴れ晴れしている。

トーンコントロール内で収まる範囲であるが、球の内部抵抗でカーブが変わり易いという結果に。

それと、球在庫が無いという致命的な事があるから、cccp球で調整してしまっているが、今後Jan球規格で作られる事はないだろうし、昨今の製造は中国かロシアだから、近い球で調整しておくのが良いのではないかと思ったり。

専ら、過度な使い方だったり、異常な回路で使わなければ、真空管は50年以上も使えるモノだから、そう心配する事はなかろうと考えている。

ただ、製造が良ければ...という部分もあるが、経験から大体3年以内に製造不良は空気が入るか、真空であっても、ガスが発生したのか放電を起こしたりという気がする。

ヒーターが切れるという可能性も考えられるが、10年ちょっとではあるが、2本程しか記憶に無い。それも1940年代の球で中古品。

放送局等で定期交換の球は、良い感じにエージングが済んだ頃合いと思って良い。

使えば分かるが、安定していて新しい球よりか選別もされていて良い面もあったりする。

ただ危ないのは、放送局放出ではなく、一度業者が買ってからからの取り外し品は、定期交換品ではなく、使い倒してエミゲンになってからの場合があるから、これは買わない方が良いだろう。

ゲッター以外の部分が銀色に電子が長時間当たった形跡のある球も、警戒した方が良いと思われ。

これは、ヒーターから出る電子がガラス面に当たって、黒っぽい銀色になる。

製造段階のフォーミングで起きたものか、中古であるかは判別が難しい。

ソケットが光沢があり、綺麗であれば、もしかすると製造段階によるものかも知れないが、やはりこれは避けた方が良いと思われ。

あとは経験と勘になってくるが、エミゲンでも喝入れしてやると復活する場合がある。

これはヒーターを定格よりか倍程で点火し、カソードを強制活性化させるという技である。

昔のアンプは、ホワイトノイズを気にして、6.3Vの所を、5.5V程で点火している場合があって、これだとカソードの活性化が促進しない可能性があって、こうした使い方を長くした球は、徐々にエミゲンになる。

一般的に廃棄値でクズ箱に行くが、これをフラッシュすると、生き返る場合が無きにしもあらず…なのである。

ただ上手くやらないと、カソードに穴が開き、よりエミッションを下げるという場合もあるから、勘が重要になってくる。

昔のラジオ屋は、こんな様に死んだ球を生き返らせたりとやっていたワケである…(; ^ω^)

 

アンプは、他にも様々なカーブのディスクを再生してみて、万事対応出来るか調べる。