A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2019/07/22

2019/07/19

35L6アンプ、苦戦中(笑)

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回路は上記の様な構成で、昔のトランスレスラジオ其の儘みたいなサッパリとしたデザイン。味付けが少ない回路構成。

昭和25-28年代という感じだかな。

Bにリーク抵抗を追加で入れてみたのは、Bのハム消しとインピーダンスが下がるかも(?)とやってみたが、Bのハムレベルは下がっただけで他は変化はない様子。

入力のGNDをCを通してシャーシに落としたり、シャーシに其の儘落とそうとすると、派手にハムが出るので、入力トランスを入れてテストしてみた。

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しかしこれまた面白い現象が起きた。

入力トランスをマイナス側とカップリングを通して繋ぎ、信号を入れるとハムも出ず綺麗に音が鳴るのだが、不思議な事に、シャーシアースをしているCを浮かすと、音が出なくなる。

不思議。

回路的には、シャーシとCを浮かすと、何処かしらのマイナスが浮くわけでもなく、信号や増幅段の電流はグルっと一回りし、回路が成り立つが、何故か音が出なくなる。

マイナスは線で一括していて、その末端をCを挟んででもシャーシアースしないと増幅が出来なくなるとはどういう意味なのか?

ちなみに、シャーシから浮かした状態にすると、シャーシに触れてもハムは出ないから、絶縁されている事は間違えなさそう。

例えば、誤ってシャーシに何処ぞの回路が落ちているという場合もあるかなと。

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シャーシサイドが、入力HOTみたいな具合に思えて、試しにシャーシアースとマイナスに繋いでみると、これまた普通に音が出た。

VRは1/4程から大きくはならず、一定を保っていたが、絞ることは可能だった。

という事は、初段の12AU7は動作していないのか?

それともカソードから回り込んでいるのか?

シャーシとの間に入れているCを外すと、今度は発振。

センタータップ付きの入力トランスだから、タップを切り替えると、ハイでは発振し、ローでは信号の大きい部分がバズ音の様になってしまい、これもどうやら発振している模様。

 

 

 

2019/07/20

また日を改め、色々と実験をしてみたのだが、分かってきた事は、アースとシャーシの電位差が大きい。

日本の電力は、単相100Vは片線がアースに落ちている。

単相200Vであれば、その中間タップが接地になっている。

三相の動力だけはフロート。

よって、身近には100Vの一方が通電している様なもので、電灯線のHot側を触れると感電するのは其の為だ。

基本はグランドに落ちている側を基準として0Vと仮定し、シャーシも0Vと同電位にしないと、何かしらの問題が発生する事は考えられる。

しかしながら、100Vを其の儘に扱った場合に、静電効果でシャーシに電位差が出来たとしても、100V範囲であるから、絶縁のCを挟む事で、仮想的にその電位差は0Vに落ち着く。

今回、倍電圧で200Vを得た場合、シャーシには電灯線電圧100Vと、倍電圧した100Vが加算され、100Vも高い電位の静電が起きていると考えられる。

これを無理に0V基準の機材とマッチングさせようとすると、100V+信号となってしまい、ハムが盛大に発生したと考えられる。

結果として、オシロスコープでシャーシ、マイナス間を見てみると、倍電圧整流で150Vを得たのならば大凡50V、200Vであれば、100Vの交流が観測出来た。

マイナス、シャーシ間に挟むCの容量を大きくすれば、その差は次第に小さくなり、ショートさせた時には同電位となる為、0Vとなる。

しかしそれでは、Hot側にプラグを差し込んだ時にシャーシに現れる事になって、痺れる危険があるから、そんな物は今の時代では売る事は出来ない。

絶縁のトランスを使えば問題はないが、それでトランスレスとは言えないし、その分コストも安くないワケで。

他の手としては、昇圧チョッパをやる方法。

これもトランスレスとは言い難いが、最近の安いアンプは多分これが主流であろうと考えられる。

どうしても、安く良い物を得るには、そのバランスが難しいものだが、コスト抑えて質まで落としたら、“高い物が良い物”という当たり前な事と同じになってしまう。

非常に難しい。

どうやったら良いか、煮詰まってきたから、先生に問いてみたけど、“トランスレスはヤダ”とキッパリ言われてしまった(^^;;

新刊のMJをちょっと見せてもらったけど、昨今のMJは筆者がお馴染みの様で(4人くらいとか?)面白くないとか。

殆ど作る人も居ないし、居ても作らないのかなぁ...なんて話を少し挟んで。

自分は昭和28-40年頃のMJ、無線と實驗しか読まないし買わない。

古いのは、皆さま面白い回路を書いていて、凄く良い刺激を貰える。誤っている場合もあるが、それに気付くかどうかも重要であろう。

自分の回路エッセンスは、過去の筆者達から影響を受けていると言っても過言ではなくて。

本質的、純粋にHIFIを、音楽をより良く楽しむセットを作ろうと、物が無いなりに創意工夫された回路が面白いし好み。少し危なっかしい様な、でも良いバランスで成り立っている、そういうのを今にまた作りたいなと。

Jazz向きだとか、Classic向きだとか、ジャンルによって分けなければならない様なアンプは、多分本質的に良いアンプじゃない。

要はバランスが悪いのだと思われ。それなら余程、どんなソースでも鳴らせるアンプの方がバランスが良いと考える。

少しカルト的な謳い文句が多くなった昨今はあまり面白味がない。

自分の意見は自分でしっかり持って、自分の選んだ道を歩むのが良い…

…と、一匹オオカミやっていると、私の様に変な事ばかりやる人になって、一般的にウケの悪い、流行らない物を作るようになってしまうかも(笑)

でもホラ、これは全て私の芸術作品だから、なんと言われようと構わないんです(開き直りw

 

 

 

2019/07/21

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そうだと思い出して、舶来物をチェックしたら、昇圧コンバータを買って其の儘になっていた。

12V入力で最大450V200mA位出そうだ。

ただ12Vだとヒーターが12V系列を選ばないと難しいかな。6.3Vのペアーでも良いけど。

コントロールアンプかフォノアンプかな。

 

というか、ちょっとづつ綴り足ししていたら、何日分にもなっちゃった(; ^ω^)

今日で一旦締めようかな。

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共エレさんでトランスのセット扱っているのがあるけど、7k越えなんだねぇ...

今一番高いのはトランスかな。かなり値上がりした。

球は安くなってるけど、他の部品が高騰して、結局なにも買わないっていうスパイラルなんだと思う。

なんだかなぁ。昔に戻っている様な気もしなくない。

昔に戻って一番不安なのは、一旦技術が廃れてしまうと、再度製造が始まった時に技術面が劣っちゃって、質の悪い品物が溢れる事だ。

まぁ今更右肩上がりに挽回する事は確率的に殆ど無いだろうが。

 

 

2019/07/22

また繰り越してしまった(; ^ω^)

今日こそ一旦…

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12AU7の規格表をよく見ると、ヒーター カソード間抵抗が20k最大になっている。

12AT7や12AX7も同じ記載がある。

う〜ん、何時もヒーターはBから分圧してバイアスかけていたから、あまりこの抵抗値は気にした事がなかった。

というか、あまりこの種は使わないから気にした事なかったというのもある。

 

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この外部抵抗というのは、カソードとヒーター間という事になっているから、こういう意味と思われ。

両挿絵共にHT片側に入れてしまったが、右の場合は、中間タップに入れるべきか。

中間タップに入れた場合は、HTはアースせず浮かしておく。

左の場合は、片方をアースに落としているから、カソードの抵抗を20k以内で使えよという意味合いになるだろう。


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トランスレスの場合、各ヒーターはシリースに入って、どちらかがアースとなり、H-K間はカソード抵抗のみとなる。挿絵は抵抗略。

一見して、グランド共通になっている様には見えるが、HOT側に近い球は、GNDから1本分ヒーターを跨いでいる事になり、1本分のヒーター抵抗が加算される事になる。

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自分で描いておいて、なるほど。と思ってしまっているのだが、実際に一番大きな音でハムが出ているのは端から2番目のchからだ。

かなりコンパクトに作っているのと、部品数少なくしている為に、chセパレーション自体は-30dBかそこそこと思う。あまり良くないハズ。

それに加え、シリースに繋がったものに、ACが印加されていると、おそらく其の内の中央付近に当たるヒーターは、シャーシともアースとも電位差がそこそこにある状態になるのではないかと考えた。

ここ迄来ると、もうトランスレスは無理難題という終止符が近い様に見える。

が、やはりモノは試し、絶縁トランスをBのみに使用、ヒーターは電灯線で点火し、全く両者絶縁した状態で動作させ、どうなるのか見た所、ハムの問題は全く解決してしまう。

整流、平滑は上手く行っていて、かなり静かだ。

ヒーターは其の儘電灯線で良しとなれば、Bだけを絶縁トランスを使えば良い話になるから、小さいトランスでも問題ないという事だ。

ただもうこれ以上はシャーシ内に押し込む事は無理だが、どうにかすれば、ここ迄やったのだから、実用性のある物には落ち着きそうである。

ただデザインが悪くなりそうで…