A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

6BD6を使う

6BD6、ラジオや無線機なんかで使われる事が大多数で、オーディオアンプに使われる事例は殆どないのではないかと思われ。

ググってもBD6でAF(LFA)アンプを作ったという方の記事は目にしないから、球屋も売れずに大量在庫で頭を抱えていることであろう。

そんな6BD6に私は目をつけ、どうにか使用できないか、色々と試してみた。

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 ↑ナショナル ユニオンの5パッケージのデットストックを研究用にと球屋から頂いたもの。

 

6D6(6C6)の後継球でもある6BD6は、可変増幅率管(バリアブルμ-バリμ)と言われ、AVC、自動音量調整やコンプレッサーに使用する事ができる。

要は、3極管の様に、G1に入れたボリュームをグリッド抵抗を兼ねさせる使い方は、バイアスの変化が生じる為に、バリμの球では出来ないという事である。

バリμの球でこれをやってみると、VRを動かすと低域がボッボッと音になったり、ウーファーが揺らされるのが確認出来る。

また、入力の信号電圧がバイアスとなって、音量が定まらなくなったり、歪みが酷く出たりする可能性も考えられる。

ペントードでも、シャープカットオフであれば、その割合は低いと思うが、やはり上手くない場合が大半であろうからブロッキングCを入れるのが無難であろう。

 

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3結、5極、Csg、Ck、有無と変更でそれぞれ如何なる動作をするのか確かめた。
3結の場合は増幅度は4倍程度で、流れる電流は3mA程度。
最大入力は7V RMS
Ckを入れると、増幅度が幾分増す。
5極使いで、抵抗のみの場合、増幅率は6倍程で、2Vの信号がギリギリ歪む手前であった。
kに100μFのディカップリングを挿れると増幅度は22倍に上がって、sgとkの間に0.22μFのCを挿れると、更に上がって88倍近くになった。
 
抵抗値を可変し、一番波形が揃い、歪みの少ない場所を探ると、0.5Vの入力で50Vが出る所があった。
最大一歩手前は、入力1.2Vで出力が90V得られた。
カソード抵抗は低くして行くと、増幅度は上がってくるが、グリッドが電流を吸う様になるから、最低でも300Ωはないと前段がかなり苦しい事と考えられる。
12AX7に近い増幅度が得られるが、12AX7はバイアス2.5V辺りで2Vは入れられるが、6BD6は1.2Vがギリであったから、小信号でないとやはり上手くはなさそうだ。
フォノアンプには使える要素はあるが、マグネチック型を使用の際には、Low,High入力を設けた方が無難と思われる。
実際使用してみないと、音の良し悪しは分からないから、作ってみる事とする。