A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

VT-224 (2C34/RK-34)

レイセオンのrareな部類の球。

トップのウサ耳はプレート。

カソード共通の双三極管。

1920年代から製造が始まり、1945年辺りには作るのを終えた様だ。

このガラス球モデルは、Radio receiving tube division. とあるから、他の部門用もありそうだが、メタル管とかが有ったかは分からない。

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内部構造は双三極であるが、カソードが共通であるから、アンバランスのミキサ回路には丁度良さそうだ。

ただカソードでミックスすると、カソード出力をカソードで受ける形式になるから、全体に音がボケる。

また、カソードフォロアと同じ形になるから、増幅率は1以下である。

昔流行ったスプリング リバーブ エコーだとか、同信号の遅延混合だったり、そういう使い方が得意であろう球。

 

要は、カソードが共通であると、セパレーションが悪くなるという事だから、6SL7や6SN7の様にステレオで1本というワケには行かなくなる。

ディカップリングのコンデンサを入れてやっても、僅か音は伝わるもので、ゲインが大きい所へ使うと、ボリュームを絞っても他チャンネルの音が漏れて聞こえる事がある。

それはコンデンサと抵抗とで、遮断周波数の時定数が決まるからではないかと思う。

高ゲイン部では使えない。

これは別個のカソードであっても、設計不良であるとクロストークが発生する。

こうなって来ると、カソード云々ではなく、高インピーダンス部分で干渉しているという事もあるし、モーターボーディングの様なB+の電源からの回り込みを起こす場合もあって、簡単には行かなくなるから、多段の場合には設計に注意せねばならない。

 

話を戻して、バランス式にして使う事が前提の様な球であるから、バランスで使えば都合は良いであろう。

ただスタジオ機材やら、大掛かりな物が仕上がりそうだから、一般的とは言い難いかな。

それに反転回路が入り様になる点、トランスを使えば音が変わるし、p-k分離の様にも出来ない。(パラで使えば可)

それにトップ グリッドだから、取り回しも配慮しないと、ノイズ アンテナになってしまっては面白くない。

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特性的に見て、近年手にし易い物と比べると、12AU7はμが17であるし、似ている。

2C34の特性はパラで使った時の値であるから、電流具合も似通っている。

12BH7は、パラで使った状態と似ている。

要はAU7をパラで使うとBH7似。

ザックリだけども。

 

さて、こうなって来ると見えてくるのは、ラインアンプかコントロールアンプに相応しそうである。

ただ段飛びして跨いでは使えないであろう。

NF型のトーンコントロールをμが100位の球でゲインを稼いだとしても、1段挟む位にしないと相互に問題が出るのではないかと思われ。

とにかく、カソードが共通なのは痛手である。

 

とにかく実験してみないと、結果は不明であるが。